足関節捻挫をしてしまった時にいかに良い状態にして再び競技復帰を早期に確実にできるかということは対応の仕方によって大きな差となって現れます。
大会が近く練習しなければならない時や試合直前で無理しなければならない時も出てきます。
そんな中でも最善を尽くして少しでも良い状態で試合や練習に望んで良い結果に導けるようにするには知識としても流れや対応の仕方、強化方法を事前に知っているだけでも慌てずに対応できるようになります。
今回は足関節捻挫の受傷直後の応急処置から競技復帰までの流れを紹介いたします。
私は現在プロバスケチームでアスレティックトレーナーとして24年間活動してきました。
毎日プロ選手の治療やリハビリ、テーピングなどコンディション維持向上のサポートをしています。
足関節捻挫といっても症状や痛みの部位によっても対応の仕方が変わってきますので、何が問題なのかをしっかり把握する必要があります。
今回は足関節捻挫のまとめ記事としての全体像をお伝えしていきます。
【結論】
・足関節捻挫してしまった際に応急処置をしっかり行うことで復帰までの期間の差が出る。
・医療機関を受診して診察検査をすることで何が問題であるか明確にすることができます。
・競技復帰に際してリハビリをおろそかにするとその後の競技パフォーマンスに影響するので継続して実施しましょう。
・練習や試合前に筋肉や関節の刺激をして動きを改善するアクティベーションで競技力アップへ。
・テーピングで怪我が治るわけではないが負担を軽減させることができるので運動可能になることもある。
応急処置の仕方によって競技復帰までの時間が大きく変化してしまいますのでまずは対応方法をしっかりと把握して突然起こってしまった足関節捻挫に対しても準備しておくことが望ましいです。
目次
足関節捻挫の応急処置
足関節捻挫をした際に適切な応急処置をして、腫れを抑えて機能障害を極力抑えることで筋力の回復や組織の回復も促進されて早期競技復帰へとつながっていきます。
そのためにはRICE処置という基本となる考え方があります。
Rest (安静)
Ice (冷却)
Compression (圧迫)
Elevation (挙上)
この4つを同時に処置することで組織へのダメージを軽減して早期復帰への対応となります。
応急処置の方法としてはいくつかあり以下のように細分化されてきています。
1.RICE処置・・・冷却をベースとしての応急処置
2.PRICE処置・・・冷却をベースとして重症時の応急処置
3.POLICE処置・・・冷却をベースとして軽症時の応急処置
4.Peace&Love・・・冷却をしない応急処置からリハビリに対応する期間の総合的な対応の仕方
各応急処置の方法を理解してその時の症状に対応していかに損傷範囲を抑えるかが復帰への短縮となっていきます。
応急処置の詳細はこちらを参考にしてください↓↓↓
>>応急処置の仕方で復帰が早くなる!!足関節捻挫後の対応方法
足関節の構造と原因
足関節には足の底にかかとがあり踵骨(しょうこつ)が土台となって、その上に距骨(きょこつ)があり足関節の動きを作っています。
距骨の上に脛骨(けいこつ)があり、外側のくるぶしは腓骨(ひこつ)によって支えられています。
外側には安定させる靱帯があり
・前距腓靱帯(ぜんきょひじんたい)
・踵腓靱帯(しょうひじんたい)
・後距腓靱帯(こうきょひじんたい)
・脛腓靱帯(けいひじんたい)
痛みにも靱帯による痛み、組織の損傷による痛み、筋肉のダメージによる痛み、骨自体の痛みなどさまざまな問題があります。
この辺りを特定するには画像検査も必要となるので整形外科を受診して診察と検査をすることで明確となり、その後のプログラムも決まっていくので安心材料としても一度病院受診して診断を確定することが誤診を防ぎ、早期の競技復帰につながっていきます。
痛みの原因の詳細はこちらを参考にしてください↓↓↓
>>バスケ選手の足関節捻挫による痛みの原因チェック方法
リハビリの必要性
リハビリをしっかり行わないとプレイ中に以下のよう感覚が残ってしまって思ったようなパフォーマンスが発揮できない状態となってしまいます。
・痛みが取れない
・力が入らない
・不安定感が残る
・前のようにプレイできない
・中途半端な状態でプレイし続けている
・また怪我しないか不安要素がある
大会や大事な試合などで無理してやらなければならない時もあるかと思いますが、その中でも最善を尽くして、正しいアプローチを行なって効率よく実行して回復させていくことです。
さらに言えば、足関節の捻挫の回復だけでなく、休んでいた期間のスタミナを戻すこと、バスケットボールの感覚、チームメイトとのコンビネーション、ゲーム感覚と仕上げていかなければならず、競技復帰しても復帰することが目的ではなく、よりベストパフォーマンスを発揮してチームに貢献する事、自分の競技力向上につながるように仕上げていく必要があります。
元の状態に戻すだけでは怪我をしてしまうレベルの為、もっと強化して強くする必要が今後の予防対策と競技力向上につながっていきます。
100%に仕上げれば良いのではなく120%のレベルアップが必要となり、そのリハビリや強化する努力を継続することが精神的にも強くなって、怪我から復帰し人間力や知識と経験値として活かせるプラス材料となります。
リハビリの必要性の詳細はこちらを参考にしてください↓↓↓
>>【バスケ選手必見】足関節捻挫の競技復帰までのステップアップ
練習前にやるべきアクティベーション
足関節捻挫は怪我の中でもとても多い怪我です。
いかに予防するかということはとても大切なこととなり、習慣づけることで良い状態で運動できるようになっていきます。
怪我をしたから実行するということも大切ですが、運動する前にいかに良い状態で競技に臨むかということが自分の体だけでなく、パフォーマンスにも影響していきます。
筋肉の柔軟性を高めて、関節の可動域を確保する。筋肉に刺激を入れて筋反応を良くすることで動きやすさも出てきます。
自分自身で色々試して少しでも変化があれば継続してしばらく実施することでより良い反応なのかそこまで変化しないのかということが確認できます。
この辺りを自分自身の練習前のルーティンとして構築していくことでメンタル的、身体的にも安定していきます。
例えば足関節であれば
・ストレッチボードで柔軟性を高める
・チューブトレーニングで足関節の筋肉に刺激を入れる
・バランスディスクや片足バランスで足首周囲の筋肉の協調性を出す。
・スクワットやカーフレイズで抵抗をかけた筋刺激を入れて反応速度を向上させる
・アジリティードリルを行って敏捷性の向上をさせる
・足の指も動かして細かい筋肉にも刺激を入れる
このようなことは短時間でも実施可能となります。
そのうち別記事として投稿していきます。
競技特性に合わせた動作作り
なぜ捻挫をしてしまったのか?
問題となる原因を追求した際に足や体の使い方による動作習慣の問題が影響していることもあります。
問題の原因となっている点を改善しないと再び怪我をしてしまうことが足関節捻挫は特に起こりやすい怪我となります。
この辺りは専門家によるアドバイスや指導が必要となり、本人が改善する意思がないと発展していきません。
ただし、動作に問題があるということは一部分に負担がかかりやすく、足関節のバランスが悪いことで捻挫をしてしまうということなので、競技パフォーマンスにも影響してしまうということにもなっています。
動きを改善するには時間がかかりますが、その結果として競技力や力発揮が向上することは大いにあるわけです。
足関節捻挫の問題となるケースとしては
・足部の使い方による影響
・足のアーチによる影響
・踵の関節アライメントによる影響
・足首と膝の連動による影響
・ジャンプの着地の仕方による影響
・競技での癖による影響
このような点によって捻挫しやすいタイプの選手がいますので、トレーニングや動きの習慣を改善していくことで怪我の予防スキル向上、競技力アップにもつながっていきます。
別記事で紹介していきます。
足関節捻挫ホワイトテーピング
テーピングを巻く目的としても症状によって異なってきますが、以下のようなことがあります。
・怪我の予防
・怪我の再発予防
・応急処置
・動作の改善やサポート
・負担軽減により治癒促進や機能回復
足関節捻挫で最も活用されている固定して安定感や痛みを抑える目的のテーピングを今回紹介します。
使用テーピングは以下のものです。
・アンダーラップ
・ヒール&レースパッド
・ホワイトテープ38mm
テーピングの切り方が結構難しいので動画で紹介します。
参考にしてください。
実際のテーピングの巻き方や注意点は以下の記事で詳しく紹介しています。
足関節捻挫ホワイトテープの詳細はこちらを参考にしてください↓↓↓
>>【テーピング】足関節捻挫に対するホワイトテープで巻く方法解説
足関節捻挫ノーマルテーピング
足関節捻挫も症状によって痛みや可動域も異なってきます。
その症状に合わせたテーピングもオーダーメイドで選手に合わせて巻くことができます。
上記のホワイトテープが最も活用される巻き方で、こちらで紹介するのは伸縮ソフトテープを活用して巻く方法で2番目に人気のある巻き方となります。
内反捻挫に対してはしっかりとサポートしつつも、底屈と背屈の動きは制限せずに運動できるので関節の可動域制限をせずにプレイできることが 大きな利点となります。
プロ選手も予防として巻いている選手も多い巻き方となります。
こちらは記事として投稿予定ですのでお待ちください。
まとめ
足関節捻挫の応急処置から競技復帰までをまとめ記事として記しました。
詳細に関しては各記事を参考にしていただき、対応していただければと思います。
【結論】
・足関節捻挫してしまった際に応急処置をしっかり行うことで復帰までの期間の差が出る
・医療機関を受診して診察検査をすることで何が問題であるか明確にすることができます。
・競技復帰に際してリハビリをおろそかにするとその後の競技パフォーマンスに影響するので継続して実施しましょう。
・練習や試合前に筋肉や関節の刺激をして動きを改善するアクティベーションで競技力アップへ。
・テーピングで怪我が治るわけではないが負担を軽減させることができるので運動可能になることもある。
足関節捻挫は運動に対して足として接地する競技では最も軸となる関節です。
その関節の状態が悪いと競技に影響するので良い状態にしておくことが必須でパフォーマンスにも影響します。
バスケットボールという競技を専門としてプロ選手から学生の各カテゴリーで対応してきましたが、特に中学生で捻挫を繰り返している選手は足関節の筋力が低下してしまい、うまく機能していないケースが多いです。
そのため捻挫をしやすい構造となってしまい、動作の改善が必要になってきます。
プロ選手は練習前に1-2時間前に来てストレッチ、トレーニング、アクティベーションと体を試合と同じようなシチュエーションで準備してから練習に入っていきます。
こういった日々の積み重ねによってプロ選手として活躍できています。
好きなことだけやるのではなく、いかに自分の体と向き合って強化や調整を行なってその日のベストな状態で競技に臨むかということが大切となり、日々の努力を継続できるかが才能ある選手ということにつながります。
わからないことは専門家に相談する、私でも構いませんので疑問や不安の状態を続けずに解消していくことは前進につながります。
今回の記事が参考になれば幸いです。