ミズノ治療院AT仕事内容

アスレティックトレーナー(AT)の仕事内容はカテゴリーで異なる

アスレティックトレーナーの仕事内容は所属チームによっても異なります。
さらに各カテゴリーによっても大きな違いがあるのであなたの強みは何か、自分自身はどの領域が向いているのか適正もあります。

競技によっても異なる仕事内容となり、またアスレティックトレーナーといっても持っている資格によって役割も変わってきます。

私は現在プロバスケチームでアスレティックトレーナーとして24年間活動しています。
取得している資格はATとあん摩マッサージ指圧師です。
トップチームからU15やU18も現在サポートしていますし、全てのカテゴリーを経験してきました。

プロチームとしてもアスレティックトレーナーの仕事はチームによっても役割が異なります。
私もプロチーム、日本代表、モンゴルでも活動しトップレベルでも9チームを経験しています。

チームによっても役割や肩書きも変わり、環境も違えば業務内容も変わってきますので参考になればと思い紹介していきます。
今回は私のこれまでの経験を基に解説させていただきます。

【結論】
・アスレティックトレーナーといっても仕事内容は環境によって異なってくるのでイメージとキャパを広げておく
・自分の強みと弱みを把握して、どのカテゴリーがマッチしやすいかも認識するとさらに良い
・チームや現場のスタッフとの相性もあるので他者が良い職場でも合わないことも十分ある
・知識や技術を強化することも大切であるが現場で対応できる人間力もとても大切である
・トレーナーでも取得している資格が異なるので考えも違ってくることは当たり前で相手を賛同すべき

長年いろいろな現場を活動してきましたが、環境によって仕事内容は本当に変わってきます。
こんなことまでやらなければいけないの..?ということも多々あります。

現場に就いてから想像と違ったではストレス過多でメンタルをやられてしまいます。
起こるべきことを理解できるかという点も活動を続けていくには大切なこととなります。

少しでも役に立てていただければと思い紹介していきます。

アスレティックトレーナー(AT)の仕事内容

ミズノ治療院AT仕事内容

ATの仕事内容としてはあなたの役割によっても変わってきます。

・ヘッドトレーナーの仕事
・アシスタントの仕事
・資格によっても立ち位置は変わります
・キャラクターによっても変化します
・年齢によっても変わります
・性別によっても異なります
・カテゴリーによっても変わります
・環境によっても変わります

このようにたくさんの要素によって仕事内容は変化していきます。
同じチームでもスタッフ構成によっても変化していきますので、いかに対応力を身につけていけるかです。

アスレティックトレーナーは選手あっての仕事がメインとなるのでコミュニケーションを取れることは基本となります。

その上で8つの項目に分類して紹介していきます。

・選手が怪我をした際の対応
・医師との連携と病院帯同
・選手の問題点から予防対応
・練習前後の対応
・メディカルチェック
・内科疾患への対応や感染対策
・怪我の発生に関するデータ管理
・雑務や備品購入

選手が怪我をした際の対応

選手が怪我をした際の対応として以下のケースが発生します

・RICE処置などの応急処置
・医師に連絡して医療機関受診
・リハビリからアスリハ

このような業務が発生します。
怪我が発生すれば応急処置をして、医療機関を受診させる必要があるか確認し、保護者またはチーム代表者への連絡をして今後の方針を決めていきます。

チームドクターがいれば連絡して病院へ帯同して診察や検査となります。

その後競技復帰させるまでの間リハビリを実施して、競技特性も含めたアスリハにて対応していきます。

医師との連携と病院帯同

トレーナーとしての役割は選手やチームと病院や医師との連携をスムーズに行なっていくことです。

・メディカルチェックの日程調整
・選手の問題点把握
・病院受診して診察検査の調整
・外科的処置のタイミングの調整

このようなことがあります。

医療機関にもさまざまな専門性があります。

・整形外科
・内科
・歯科
・救急対応
・皮膚科
・心臓外科

このような専門家とは連携できるよう構築しておくと急なアクシデントに対応できます。

さらにドーピングにも対応できる医師との繋がりがあると心強いです。

選手の問題点から予防対応

選手の身体検査にて問題となる点を把握する必要があります。

プロチームでは医師のメディカルチェックだけでなくトレーナーが行うチェックとして既往歴など確認しておくことで予防策となります。

・既往歴/問診(History)
・視診(Observation)
・触診(Palpasion)
・スペシャルテスト(Special-Test)

HOPSとよく言いますが、この辺りを怪我をした際にも活用するかと思います。

・ストレステスト・・・靱帯の確認
・MMT・・・筋力の評価
・ROM・・・可動域チェック
・静的アライメント・・・骨の配列確認
・動的アライメント・・・歩行や競技特性などの動きを確認

この辺りを確認することで問題点を把握することができ、実施すべきアクティベーションやドリルなどのアドバイスが可能となります。

練習・試合前後の対応

練習・試合前の対応として

・トレーナーブース等の準備
・選手の状態チェックやストレッチ
・テーピング
・アクティベーション指導

このようなことが仕事内容としてあります。

練習・試合中の対応として

・応急処置
・環境整備
・チームでの業務
・リハビリ対応

実施中はアクシデント対応やチームや競技によっても内容が異なってきます。
バスケットボールではコート整備として汗によるスリップを防ぐためモップでのコート整備が中心になります。

練習・試合後の対応として

・アイシングやアイスバス等の準備
・ストレッチや治療
・病院帯同や後片付け
・データ管理

このようなことが実際の現場では業務内容としてあります。

メディカルチェック

プロチームではリーグ規定のメディカルチェック項目があり、その検査項目をクリアしなければ選手登録ができないシステムとなっています。

・心臓に関する検査
・血液検査
・整形外科的な検査
・薬物検査
・医師の診察

リーグによるメディカルチェックの目的としては命に関わる問題をクリアにすること、薬物によるモラルを守る点もありますが選手の健康を第一として競技を行なっていく点にあります。

さらにドーピングに関するeランニングの実施、メンタルヘルスのテストを年間2度実施も必須となっています。

トップチームではメディカルチェックが必須となりますが、アンダーカテゴリーでも現在実施しています。

U15の中学生のカテゴリーでは成長期による問題もありメディカルチェックにて早期発見も視野に入れ問題となりうる点を把握して予防策として対応できる点が良いことです。

中学生は医療費負担がかからないケースも多いので活用できる点もあります。

内科疾患への対応や感染症対策

選手は激しいトレーニングや試合によって免疫力が低下しやすく、感染しやすい点もあります。

感染症対策の徹底や急な発熱などに備えて受け入れ先の病院も必要となります。

特にチーム競技では飛沫感染によるクラスターなどコロナやインフルエンザの対応は行わなければなりません。

・手洗いうがいマスク等の感染症対策
・救急外来の確認
・非常用の検査キット
・体温計を家庭に1つ購入してもらう
・チームの連絡事項での情報発信
・インフルエンザ予防接種

このようなことが対応策としてできることかと思います。

怪我の発生に関するデータ管理

チームでの活動日報や怪我のデータ管理、リハビリの対応などトレーナーとしてもデータを管理することで怪我の発生状況やアクシデント件数など蓄積していくことで兆候が見えてくることもあります。

この辺りのデータをコーチと連携して、運動強度や休みのタイミングなども調整することができ、オーバートレーニングにならないように対応して最もベストコンディションで試合に望めるかという点はメディカルとしてチームに発信できる点となります。

チームとして回復を優先すべきタイミングや選手個人のコントロールなども必要となり、トレーナーは選手とコーチの間の連携として判断材料を提示できると信頼されるようになります。

雑務や備品購入

トレーナー本来の仕事以外の雑務があることはしっかり理解しておかないと、なんでこんな事までやらなければいけないんだというネガティブマインドとなって空気感を壊してしまうきっかけとなり人間性の評価が下がってしまいます。

・チーム荷物の運搬
・ドリンクの準備
・時には洗濯業務
・チームカーの運転
・テーピングの購入
・医療備品の購入
・遠征の準備

プロチームや社会人チームでは本来の業務以外にも雑用を割り当てられることは多々あります。

特にマンパワーの少ない環境では雑務が多くなりがちです。

ATのカテゴリーでの役割の違い

ミズノ治療院ATカテゴリー

アスレティックトレーナーはカテゴリーによって役割が異なってきます。
年代によって力を入れるべき点が異なってくるからです。

その辺りを紹介していきます。

小学生(U12)のカテゴリー

小学生はまだまだやる事なす事が初めての経験というレベルです。
知識としてもなく怪我自体が初めてということもあります。

何をすればいいのか、何が正しいのか、全くわからない状態で競技を純粋に楽しんでいます。

成長期に起こる問題は個人差もありますが、競技特性があります。
成長痛や競技特性で多い怪我を把握しておくことで予防策としても提示できます。

骨形成の発達もあり、この時期に悪い動作習慣によってアライメント不良にもなってしまいます。

知識ゼロから成長痛や怪我を通してセルフケアを認識すること、サポートする体制を保護者とともに形成していくことが必要となります。

中学生(U15)のカテゴリー

中学生になると自我も芽生えて、専門性も出てきます。
ユースチームなどエリートにも区別されていきます。

ただし好きな競技に対しては一生懸命実施するけど、自分の体に関しては無関心という選手も多く怪我を多発してしまうケースもあります。

急激に身長が伸びたり等体の変化も起こってきます。

教育や指導という点でより具体的に実施できるように方向性を示す必要があります。

いかにこの時期に刺激を与えて興味関心を高めるか、腰椎分離症などは長期間離脱してしまうケースとなり、メンタルやモチベーションの維持ができない選手も出てしまいます。

いかに予防し、動作習慣を良い形に導けるかです。

トレーニングとしてもフォームを確立して高校生時にパワーアップをスムーズにさせる指導も必要となってきます。

まだまだチームにストレングスコーチが不在な点が多く、トレーナー兼ストレングスという二面性も必要となります。

本来であればベテランが担当すべきポジションが最も安全性と効率性が高いカテゴリーですが、収入として確立できていない分野でもあるので若手トレーナーが担当することも多いです。

トレーナーとしてはなんでも提供するのではなく、自分で対応できるようなセルフケアの指導に力を入れてトータル的なサポートを心がけていくことも大きな意味があります。

高校生(U18)のカテゴリー

高校生になると競技特性も強くなり、怪我の発生も競技特有の症状が出やすい傾向です。

競技特性を理解して強化する年代であり、怪我の予防とパフォーマンス向上につながります。

特に大きな怪我や長期離脱を防ぐための筋力強化が必須となってきます。

メディカル要素だけでなくむしろフィジカル要素が重要なレベルになります。

身体組成の管理もしてトータル的にコンディショニングを重視するカテゴリーとなります。

スタッフとしてメディカルだけでなくストレングスとしての役割もマンパワーから必須となりU15よりもよりパワーアップさせるスキルも必要となっていきます。

U18のトレーナーこそマルチに対応できるスキルと知識が求められるカテゴリーだと考えます。

大学生(U22)のカテゴリー

大学生では高校生と違ってシーズン制となり、より専門的な対応ができるかがトレーナーとしてのスキルとなります。

セルフケアだけでなく、治療の対応や医療機関との連携も密になってきます。

活動できる頻度や時間にもよりますが、いかに選手個人に対応できるかという点も必要となってきます。

特に競技特性の症状に対するリハビリとアスリハで確実に復帰させること、さらに早期復帰させられるようにプロトコルを作成できるようになるとベストです。

大学になると大会もリーグ戦にもなり、高校生主体のトーナメント戦とは戦い方も異なるので、コンディショニングの調整方法も熟知していくことで選手やコーチなどのスタッフからも信頼度が上がっていきます。

さらに学生トレーナーやマネージャー、学生コーチなどにも指導して、対応できるマンパワーを増員させる組織育成にも力を入れたいところです。

プロや社会人のカテゴリー

プロチームや社会人ではいかにその時のベストコンディションを維持向上するかにフォーカスしていきます。

治療技術、テーピング、リハビリ、競技特性、メンタル、モチベーションなど様々な要素に対してサポートしていきます。

トップ選手ではドーピングコントロールもあるので知識と技術と人間力で選手の対応を心がけていくこととなります。

試合や遠征なども多く、チームがOFFでも選手の状況によって病院の帯同や治療の対応なども含めてしっかりとした休みが確保できなくなるケースは多いです。

チームドクターとの連携も密となり、メディカルチームとしてどのように選手の管理や対応をしていくかが必要となります。

トレーナーも複数名でのチームとなるので役割も異なり、人間関係のトラブルもよくあることです。
いかに組織として機能させるか、選手をサポートするかを最優先として活動する必要があります。

トレーナーとして活動する際に取得すべき資格

ミズノ治療院AT資格

トレーナーとして活動するに際して必須となる資格が競技によっても異なってきます。
あなたが関わる競技のトレーナーとしての必須資格を確認する必要があります。

私が関わるバスケットボールでもトレーナーとして登録できる資格があるので紹介させていただきます。

男子バスケットボールBリーグでは

・日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー
・BOC-ATC
・柔道整復師
・鍼師
・灸師
・あん摩マッサージ指圧師
・理学療法士

この7つの資格のいずれかを取得している必要があります。

日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーAT

アスレティックトレーナーとして活動する際に日本で確立されているのが日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーになります。

医療国家資格

・柔道整復師
・鍼師
・灸師
・あん摩マッサージ指圧師
・理学療法士

医療の国家資格でも上記の資格がトレーナーとして活動できる資格となっています。

アメリカのアスレティックトレーナーBOC-ATC

アメリカでのアスレティックトレーナーの資格となり、アメリカは州での資格となり日本の国家資格と同等の水準となっています。

プロバスケットボールの今後の資格要件

バスケットボールのトップリーグは現在Bリーグですが2年後にはさらに進化したプレミアムリーグに変化します。

トレーナーの資格も変更要件が発表されています。

・チームに2名上記の資格取得者が必要
・そのうち1名はAT/BOC-ATCを取得していること
・トップリーグ(B1/B2リーグ)での実務経験が3年以上必要
・他競技から移籍する際も他競技のトップリーグで同等の実務経験者

このように変更されていきます。

このことで今後起こってくることとしてはAT/BOC-ATC取得者が優遇されることが予想されます。
ヘッドトレーナーはAT/ATC取得者でさらに医療資格取得者なら強いわけです。

バスケットボールではB3リーグもありますが、B3では実務経験としてカウントされないわけです。
7つの資格を取得しても3年間の実務経験が満たされないと見習い扱いとなってしまうケースがあり年俸に影響するケースも考えられます。

バスケットボールだけでなく他競技も資格制度が確立していくかと思います。
2つ以上の資格保有者が現在現場でも活躍しているので、1つだけの資格では厳しい時代になっていくのがトップリーグの要素になるのではないかと予想されます。

プロトレーナーからのアドバイス

ミズノ治療院At仕事内容プロ

私は長年プロチームでも活動してきて現場を様々な角度から見ることができています。

プロトレーナーとして活動するにあたり、意識していることはいかにスタッフや選手とうまく対応でき現場で信頼を勝ち取れるかということです。

仕事内容に関して

現場ではスタッフが少数であれば仕事量は増えるもののやり易さはコントロールしやすい点があります。

スタッフが多数であれば仕事が分業でき効率が高まりますが、コミュニケーションミスも起こりやすく難しくなっていきます。

各カテゴリーでも仕事内容は大きく異なるので、あなた自身の適正カテゴリーややり甲斐があるスタイルを見つけることは自分らしく仕事やプライベートの充実にも影響します。

学生対象では成長度合いや伸び代が大きく成果も出やすい点があります。
プロ対象ではステータスとしての地位や付加価値も生まれてきます。

いかに情熱を持って業務に向き合えるかということは大切な要素となります。

カテゴリーでの役割の違いに関して

私は元々は高校生が活動拠点でありましたが、社会人やプロチーム、そして大学と活動しています。
さらに小学生や中学生の年代も対応させていただき、男子チームと女子チームでも関わってきました。

プロチームではスタッフ構成も多くなり分業化されてきている点もあります。
治療などの対応をしていかに良いコンディションを維持向上させるかという点です。

学生ではスタッフ構成も少数なのでマルチの働きができた方が利点があります。
トレーナーとストレングスコーチが対応できれば業務内容は増大するものの体づくりにおいては良い形を作れます。

U15やU18のトレーナーは若手が対応しがちですが、本来は経験値豊富なベテランが担当する方がより良い環境整備が実現できると考えます。

取得すべき資格に関して

私自身のATとあん摩マッサージ指圧師を資格取得しています。

どの資格を取得すればいいのか?

これはあなたが将来何がしたいのか、何を強みとして活動したいのかによって取得すべき資格は異なります。

アスレティックトレーナーと医療国家資格を取得することでバランスの良いトレーナーになっていきます。

BOC-ATCは語学力を兼ね添えているのでそれだけでも今後活躍する場は増えていくかと思います。

高校生の際にどうなりたいのかイメージができればとても良いのですが、わからないことも多いはずです。

まずは現在関わっている資格を取得してさらにもう一つ取得することも念頭に置ければと夢や目標を実現する可能性は高まります。

まとめ

今回、アスレティックトレーナー(AT)の仕事内容はカテゴリーで異なるというテーマで私の考えも踏まえて紹介させていただきました。

【まとめ】
・アスレティックトレーナーといっても仕事内容は環境によって異なってくるのでイメージとキャパを広げておく
・自分の強みと弱みを把握して、どのカテゴリーがマッチしやすいかも認識するとさらに良い
・チームや現場のスタッフとの相性もあるので他者が良い職場でも合わないことも十分ある
・知識や技術を強化することも大切であるが現場で対応できる人間力もとても大切である
・トレーナーでも取得している資格が異なるので考えも違ってくることは当たり前で相手を賛同すべき

アスレティックトレーナーとして何がしたいのかを明確にして、どのカテゴリーで活動したいのか、どうすれば目標としている場所で活動できるのか、経験して初めて見えてくること、気づけることがあるはずです。

行動して見る場をつくる、経験することが次につながります。
何もアクションを起こさなければ気づくことさえできません。

自分自身で努力を継続することで、気づきや指摘、出会い、やり甲斐が発見できるかもしれません。
動かなければ始まらないのがアスレティックトレーナーという仕事です。

この記事が参考になれば嬉しく思います。

こちらの記事も参考に↓

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


Review Your Cart
0
Add Coupon Code
Subtotal

 
上部へスクロール