バレエ独特の障害
バレエの演技中にふくらはぎの痛みや下肢の違和感を感じる方は多く、痛みの原因は筋肉の過労や腱の緊張、体幹機能の不均衡など多岐にわたります。
本記事は痛みの実態を正しく理解し、効果的なケアと予防法を整理してお伝えします。
日常のレッスン前後のケア、セルフマッサージ、治療院や整骨院、整体での専門家によるアプローチを組み合わせる事で良い状態を持続してレッスンに対応できるようになっていくかと思います。
当院はバレエの専門家ではありませんが、小学生、中学生のバレリーナが身体の疲労や痛み、炎症などの悩みを抱えている方が来院されています。
これまではバスケットボールのプロチームで20年以上アスレティックトレーナーとして活動していた経験があります。スポーツ選手の症状は日常を改善するのではなく、競技力を高めるために対応するので細部に渡って細かく確認していくアプローチがバレエの方々にも評価をいただけているのかと思っています。
バレエ選手のふくらはぎ・下肢痛の現状
ふくらはぎは長時間のルルベやジャンプ動作で痛みが生じやすい部位です。
アキレス腱炎や足底筋膜炎、三角骨障害など他の障害と連動して痛みが現れることも珍しくありません。
痛みの多くは筋肉の張りや腱の過度の負荷に起因します。
特に足関節の動きが多く、足裏からふくらはぎの筋肉で安定感を出しながらも耐える筋力も必要となります。
1. ふくらはぎ痛のメカニズムと原因を正しく理解する

バレエにおけるふくらはぎの役割と痛みの発生要因
バレエではつま先立ちの動作が多く、ふくらはぎは支点となる重要な筋群です。日常の動作よりも過度の負荷がかかる場面が増え、筋肉の疲労が蓄積します。
痛みの発生要因はさまざまですが、ルルベ時の筋緊張の長時間化や過剰な腱の緊張が主な原因になることが多いです。適切でないフォームや不均等な体重分布も一箇所に負担がかかってしまい痛みを誘発します。
過度の使用と筋膜・腱の関与
長時間のレッスンや連続するジャンプは、ヒラメ筋と腓腹筋に繰り返し負担を与えます。
筋膜のねじれや腱の微小損傷が痛みとして現れやすいです。
具体例として、同じ動作を連続で繰り返す練習や、片足での長時間のプリエを1日に何度も行う場合に発生しやすいです。新しい振付が導入される直後の筋疲労は特に強く出ます。
筋膜の滑走不全や腱の緊張は、歩行時にも痛みを生じさせ、再発リスクを高めます。
対策として、レッスン後の静的ストレッチとフォームの微修正が有効です。
腰痛・体幹機能の連動性と下肢痛の関連性
腰椎や体幹の安定性が不足すると、下肢に過剰な力が集中します。
体幹の制御を改善すると、ふくらはぎの負担を軽減できる場合があります。
アラベスクなどバレエ特有の動作で上半身がブレるとその分足で支える力が増加してしまうので負担がかかりやすくなるわけです。
実践的な取り組みとして、体幹でも腹筋のように動かす筋力強化よりも、固定させて安定させる体幹のトレーニングを週2回取り入れると、下半身との連動がしやすくなり、着地時の膝屈曲角度が安定し、ふくらはぎの張力を分散できます。
バレエ特有の軸の崩れを防ぐ効果が期待できます。
全身のバランスを整えることで、痛みの出現タイミングを遅らせる効果が期待されます。
特に成長期の小中学生ダンサーは体幹の安定性を高めることが、継続的なパフォーマンス維持に直結します。
小学生、中学生の場合まだ姿勢を安定させる筋力が不十分なので姿勢を維持するだけでも疲労につながり、背中から腰にかけてカチカチになっている選手が来院されるバレリーナが多いと感じています。
2. 痛みを改善する具体的な治療アプローチ

ヒラメ筋・腓腹筋(ひふくきん)のリリースと調整の実践
触診でヒラメ筋の張りが強い場合、筋膜の滑走を改善するリリースを実践します。
私はマッサージが得意でアプローチをしています。
まずは全体的に圧をかけて筋肉のほぐしを行っていきます。
強く揉むのではなくゆっくりとじんわり圧を入れていく方が緩みやすいです。
ふくらはぎでもアキレス腱と筋ボリュウムが大きくなる間の筋腱移行部が硬くなりやすいのがバレエの特徴の一つです。
腓腹筋とのバランスを整えるため、筋間リリースと関節モビリゼーションを組み合わせます。
深層にある関節を安定させる筋群がダメージ
ふくらはぎの部分にはたくさんの筋肉があります。
♦︎表層の筋肉(力発揮する筋肉)
腓腹筋(足関節と膝関節に関与)
♦︎中間層の筋肉
ヒラメ筋(疲労しやすい筋肉、足関節関与)
♦︎深層の筋肉(関節の安定感を出す筋肉)
内側にある筋肉(足裏から脛までの長い筋肉)
・後脛骨筋、長母趾屈筋、長趾屈筋
外側にある筋肉(内反捻挫しないように外側の安定性)
・短腓骨筋、長腓骨筋
バレエ特有の障害として多いのが深層の筋肉がダメージとなっているケースです。
奥深くにあるため表面の腓腹筋やヒラメ筋が緩まないとほぐれなく回復に時間がかかってしまいます。
同じレッスンを受けていても個人差があり、動作習慣による影響もあって個人によってもダメージが出ている部位が異なってきます。
治療期間も個人差がありますが、疲労の蓄積だけでなく、痛みとなっている場合は炎症があるので回復にも時間がかかります。週1回の継続ケアで2-3回程度での改善を目指します。
痛みの再発を防ぐためのセルフケアを日課にしてください。
炎症があるならアイシング、疲労があるならマッサージ、入浴、ストレッチなどを行うと良いです。
成長期ダンサーを支える安全なリハビリの考え方
成長期は組織の適応が速く起こります。
痛みの原因を一つずつ解消しながら、段階的な負荷増加を設計します。
個別の痛みパターンに合わせ、週ごとの負荷レベルを記録します。
- 痛みが出た動作を回避する短期プラン
- 体幹安定性と下肢の協調性を高めるエクササイズ
- 徐々に可動域と筋力を回復させる回復期
バレエを始めたばかりでは痛みが起こりやすい時期です。
不慣れな動作による負担がかかってしまいます。
トーシューズを履くタイミングにもトラブルがつきものです。
新たな振り付けや発表会などでは練習時間、強度、頻度も高くなりリカバリーできなくダメージとして疲労が蓄積していきます。
怪我の大元は疲労からです。
日頃にメンテナンスを意識して、痛くなくてもセルフケアと専門家のトリートメントを合わせると良いわけです。
子供バレエだけでなく大人バレエでも同様の考えです。
特に痛くても我慢してしまうタイプの方がバレエでは多いように感じています。
3. レッスン前後の痛み予防とセルフケア

レッスンに入る前に足関節の動きを出して、筋肉の動きをしっかり出して、筋刺激を入れると良いかと思います。
特に片足でバランスをとる際には足首周囲の筋肉が協調して働くことで安定感かがでます。
ちょっとしたエクササイズで筋肉に刺激を入れてバランスをよくしておくだけでも負担がしっかりと分散されて予防となります。
ストレッチとインナーマッスルの活性化
練習まえにストレッチをして関節の可動域を広げておく事で動きが良くなります。
さらに筋肉を使う、バランスを整えるようにエクササイズを行うと、負担が分散できます。
練習後では寝る前にもう一度ストレッチすることで、使って硬くなった筋肉や筋膜を良い状態に戻すことができます。
特に成長期では就寝3時間までに成長ホルモンが70%放出すると言われているので、良い眠りにつけるように配慮してほしい点です。
ストレッチをして筋肉を良い状態にして、スマホやテレビは寝る30分前には終了して脳の刺激を解放して交感神経優位ではなく、副交感神経優位にして眠りにつけると睡眠の質が高まり、成長ホルモンが良く機能して、リカバリー能力が向上します。
疲労回復を早める血行促進とセルフマッサージ
軽い有酸素運動と入浴は血流を促します。
レッスン後は冷やし過ぎず適度な温度で体を温めましょう。
半身浴も良いですね。
小学生、中学生は自分の体に関しての知識がないのでセルフケアの認識は期待できません。
ですから保護者の協力がとても必要となります。
セルフマッサージは、リズムよく緩めるのがコツです。
ヒラメ筋と腓腹筋の境界を優しくほぐすように、圧を分散させてください。
セルフケアの一環として、寝る前にふくらはぎを軽く揉んだ後、ストレッチをして緩めてゆとりを出したら筋膜を伸ばして柔軟性を高めてあげるといいです。
保護者の方がマッサージしてあげることもスキンシップも含めて良いことだと思います。
深層の筋肉に対してはやはり専門家に状況の確認をしてもらい、最もベストなアプローチをしていく必要があります。
長い期間痛みが持続するようなケースは問題が発生していると想定できるので問い合わせしていただければと思います。
当院のアプローチは筋肉を緩めた後、筋膜に対してアプローチします。そしてストレッチして筋膜に対してもストレッチを行っていくと筋肉の動きがスムーズになって体が軽くなると笑顔になって帰ってくれています。
4. 勘違いを避ける:よくある痛み対策と誤解

電気・湿布だけでの対処が招く長期化
局所の電気治療や湿布は痛みを一時的に和らげますが、問題となっている痛みの原因は何かを追求することでアプローチの手段が見えてきます。
マッサシージが良いのか、動作習慣に問題があって筋バランスを整える必要があるのか、強化する必要があるのか、など多角的に選手の体を見て判断していく必要があります。
よく病院や接骨院などに行ってもなかなかよくならないということがあります。
根本的な原因に対してアプローチできていない点があるのかと考えます。
痛い部位だけを治療しても再発する理由
痛む場所だけを集中的にケアしても、別の筋群や腱に過負荷が移ることがあります。
例えば腰痛が主訴でも腸腰筋が硬くなると股関節の動きが悪化します。
原因は体の使い方の偏りや負荷伝達の不均衡です。
全体のフォームと荷重バランスを同時に整えることが重要です。
バレエの選手で共通して問題な部位があります。
・背中から腰の張り感
・大腿部前面の硬さ
・ふくらはぎの硬さ
以前に小学4年生のバレリーナが足首が痛くて来院されましたが背中が過緊張となっていて足首の痛みの大元は背中と判断しました。
足首だけ対応していたら痛みはすぐに戻ってしまい、なかなか改善しなかったかもしれません。
1回のアプローチで痛みはなくなり、痛いと言わなくなったとのことでした。
しかし1週間後にもう一度アプローチしてさらに過緊張を取り良い状態にしてあげることで、大きな問題なくレッスンを対応できているとのことでした。
どこに行ってもよくならなかったのが不思議ですとお母さんがおっしゃっていましたが背中の影響が強かったのだと思います。
病院受診が必要になるサインの見極め方
痛みが1週間以上続く、安静時にも痛む、歩行時に痛みが強まる場合は肉離れなども考えられるので専門医の診断や検査を検討します。
痛みの程度を0から10までのスケールで記録するとイメージしやすくなります。
痛くない0から最も痛くて通常の歩行ができないレベルを10として痛みの段階を数値化します。
腱の赤みや腫れ、しびれ、脚のしびれ感のある場合は早めの受診が安全です。
緊急性が高いサインとして、突然の高度な痛みや脚の痺れが急に現れた場合は救急も検討してください。
【痛みの違いとして】
・外傷(急に痛みが出る怪我)は捻挫、打撲、肉離れなどのように明らかに痛めた覚えがあるケース
・障害(だんだんと痛みが出てきた)は痛めたおぼえはなくだんだんと痛みが強くなったケースです。
外傷の場合は整形外科で画像検査して問題があるかないかの確認が必要なケスです。
障害の場合は明らかな問題がないので筋肉や筋膜による影響や蓄積によって起こっているケースが多いです。
Q&A
バレエをするとふくらはぎが痛くなるのはなぜですか
長時間のルルベやジャンプ動作が連続すると筋肉の疲労が蓄積します。
特にヒラメ筋と腓腹筋に繰り返し負荷がかかると、張りや痛みが出やすい傾向があります。
体幹の安定性や着地時の荷重伝達が乱れると、ふくらはぎに過剰な力が集中します。
フォームの乱れを修正することが痛みの予防に直結します。
具体例として、長時間のバーやピルエット練習中に踵が過剰に沈み込むとふくらはぎの張りが強まります。
振り付けの切替で足首の位置が乱れると、腓腹筋に痛みが出やすくなります。
長時間足首を安定させることが持続することで深層の筋肉で腱炎が起こってしまい強い痛みとなってしまうことがあります。
当院に痛みで来院している方は深層筋の腱炎となっていることが原因となっています。
特に外くるぶしや内くるぶしの後を通っていて急に角度が変わる装甲をしているのでくるぶしの後でシコリ化している選手が多いです。
ふくらはぎマッサージが痛いときの対処法
痛みが強い場合は刺激を弱め、圧の強さを調整して行います。
痛みの少ない範囲から優しく始めましょう。
- 1回あたりの圧を軽くして回数を増やす
- 痛みを感じる部位は避け、周囲の筋膜リリースを優先
- 就寝前の軽いストレッチと深呼吸を組み合わせる
- 鏡を活用して自分の足首の動きを確認し、過度な内反や外反を修正する
バレエでふくらはぎが太くなる理由と対策
過度なトレーニングと筋肉量の増加が見られる場合があります。
目的はサイズ増ではなく機能性の向上です。
- 適切な休息を取り入れ、筋力と柔軟性のバランスを整える
- 局所的な筋肉だけでなく体幹と下肢全体の連動性を高める運動で負担を分散
- 栄養と睡眠の見直しで回復力を高めてリカバリーする
- 長期的には有酸素トレーニングを取り入れたり、ストレッチを行って血流を促進する
バレエでどの部分を痛みとして感じることが多いですか
多くのダンサーはふくらはぎ全体、腱の付近、足裏のアーチ部に痛みを感じます。
症状は人それぞれですが、姿勢をキープする動作、伸ばされながら耐える動作で痛みが強まることが多いです。
実践的な観察として、ジャンプ後の着地角度を測定し、膝の過度の内旋を避けることで痛みの再発を抑えるケースが多数あります。
当院に来院されている方は痛くはなくても、背中から腰・ふくらはぎ・太もも前面の硬さが共通している傾向です。
まとめ

痛みの根本原因と改善への道筋
痛みを根本から捉えるには、下肢の動作全体を把握する視点が欠かせません。
過度な負荷を受けている筋群を見極め、体幹と下肢の連携を再構築することも重要です。
ふくらはぎの痛みは単体の問題ではなく、動作パターンの乱れや腱の緊張と連動します。
適切なアプローチと段階的な負荷調整を組み合わせることで、痛みの出現タイミングを遅らせられます。
実践的なステップとして、問題点の把握、筋肉の状態、関節の影響、動作評価を行い、痛みが出ている原因を特定していきます。
継続的なケアの重要性
一度の治療で完治するケースは稀です。
定期的なケアを習慣化し、日々の動作での負担の集中を分散させることで再発を抑えられます。
セルフケアと専門的治療を組み合わせると、回復速度と再発予防の効果が高まります。
自己観察を続け、痛みのサインとなる違和感や重だるさなどの変化を早期に対応していくことです。
個人差、個体差がある
同じレッスンを受けていても選手によって痛みが出る方と出ない方がいます。
さらに痛みが出る部位も異なっています。
個人差があって痛みに強い選手、弱い選手もいるわけです。
特に小学生は性格によっても違ってくるので保護者がアンテナを張って対応していく必要があります。
痛みの程度がわからない場合は数値化していくと良いですし、動きがおかしいと気づけば早期に対応していくことで長期離脱は避けられる点もあります。
当院に来院してくださっている選手でも同じふくらはぎでも痛みの部位や硬くなっている部位が異なっています。
この辺りは個人によって体の使い方が異なっていて個人差や個性として面白いなと感じる点です。
ミズノ治療院スポーツマッサージ(栃木県宇都宮市)

栃木県宇都宮市でミズノ治療院スポーツマッサージを開業しています。
私はバスケットボールのプロチームで長年活動してきました。
現在はバスケ選手だけでなく他の競技の方、シニアの方、一般の方もたくさん来院してくださっています。
最近ではバレエの選手もたくさん来院してくださっています。
バレエは足首やふくらはぎに負担がかかりやすい競技特性があり、長時間練習するのでダメージも起こりやすい点もあります。
痛みがなくても、良い状態にするため、疲労回復のために活用されている方も多いです。
問題が起こってからでは改善するのに時間がかかってしまいます。
予防する、メンテナンスするという点でも活用していただけたらと思っています。
個人個人のニーズに対応できるよう努めています。
競技復帰に向けた対応も得意な領域です。
筋肉と関節の専門家

私のアプローチとしては筋肉と関節に対してより集中して対応させていただいています。
筋肉は何層にも重なり合って構成されています。
表層の筋肉が張っていると深層筋肉の状態を触知できず根本の問題を確認できません。
1.筋肉のマッサージで全体的な硬さと問題の把握とほぐし
2.深層の問題点に対してアプローチ
3.筋膜の硬さや癒着の硬結部位を改善させる
4.関節の捻じれを改善させて関節のゆとりを作る
5.動作確認して問題点に対するエクササイズ紹介
このようなアプローチで症状を軽減させていく流れとなります。
痛みの原因となっている部位は筋膜が厚く硬くなりやすい傾向です。
この膜を対応することで症状は楽になっていきます。
例えば、
ふくらはぎの硬くなった選手の特徴として大腿部の前面が固くなっている選手がとても多く関連しています。
そのため全身をアプローチする必要もあります。
その選手の問題点を把握して対応しなければならずふくらはぎだけ行っても改善しないことがあるわけです。
ご予約方法

当院完全予約制です
来院される前に事前にご予約ください。
予約方法
・電話する 028-688-7270 (営業時間での対応)
・WEB予約 ご希望の日時をWEB予約システムより行ってください。
>>https://www.junk-trainer.com/apoint/
・緊急時または時間外希望はLINE公式よりメッセージしてください。
>>https://lin.ee/BYHIIy2

アクセス
アクセスの詳細はこちらのページに掲載しています↓
>>https://www.junk-trainer.com/access/
宇都宮駅東口 徒歩20分 車4分
バス 宇都宮駅東口 4番乗り場 岡本駅西口行き 大黒天橋下車 徒歩2分

ホームページ
>>https://www.junk-trainer.com
プロフィール
>>https://www.junk-trainer.com/profiletr/
こちらの記事もどうぞ↓



