体脂肪率を測定することは近年とても身近になり体重計でも簡単に測定できるようになってきました。
さらに特殊なタイプもあり詳細データを測定することも可能となっています。
体脂肪測定に際して測定方法は体重計などのタイプで体水分を介して測定するインピーダンス法と皮下脂肪の厚みを測定して算出するキャリパー法があります。
両者とも昔からある測定方法ですが、手軽に測定できるインピーダンス法が普及され、測定や計算式が難しいキャリパー法はアスリートなどの特別な分野で浸透してきました。
私は現在プロバスケチームで20年以上活動しているベテランのアスレティックトレーナーです。
皮下脂肪厚から算出するキャリパー法を活用して20年以上になり、とても身体組成やコンディションや体への意識改革など実施してきました。
キャリパー法を活用することで皮下脂肪に対する意識が変化してトレーニングや食事など健康面やアスリートのパフォーマンスに大きな影響を及ぼすデータであると認識しています。
今回キャリパー法による体脂肪率などの身体組成のデータをどう活用するのか簡単に解説していきます。
【 結論 】
・体脂肪率を測定する方法として身近なインピーダンス法とキャリパー法がある
・キャリパー法は皮下脂肪の厚さを測定して算出する方法
・両者の測定方法にも一長一短ある
・キャリパー法はアスリートが活用している測定方法
インピーダンス法
インピーダンス法は体水分量を測定することで体脂肪率を測定できる方法です。
誰でも身長を入力することで手軽に測定できる点が一般家庭にも普及したポイントだと思います。
ただし水分量の摂取によって体脂肪率の数値が変動しやすい難点もあるので、測定時では同じタイミングで測定することが必要条件になります。
朝起きて排尿後、入浴前後、就寝前など毎日のルーティンのように測定することが良いタイミングです。
キャリパー法
皮下脂肪をつまんで厚さを測定して、難しい計算式に当てはめることで体脂肪率を測定することができる方法です。
キャリパー法にも1点法や2点法、3点法など測定部位や計算式が異なるやり方が実際にあります。
測定する際に経験値が必要となるので難易度が高い点、難しい計算式に当てはめて算出する必要があり普及されることがありませんでしたが、アスリートはキャリパー法を活用して身体組成を出す事が多く、私も3点法を活用して実際に20年以上測定してきた実績があります。
エクセルなどの表計算にて関数を使えば難しい計算式でも数値をすぐに出す事ができるので現在では難易度はさほど高くないので活用すると良いデータを入手する事ができ、コンディショニングやトレーニング、食事のコントロールにもとても役立てる事ができます。
キャリパー法は皮下脂肪の厚みから測定する方法なので、肥満体型で皮下脂肪が多すぎる方は測定ができない点があります。
ただしデジタルタイプであれば皮下脂肪の厚みを確認できるので現在では測定可能となっています。
インピーダンス法 | キャリパー法 | |
測定タイプ | 体水分量を介して | 皮下脂肪厚を介して |
難易度 | 簡単に測定可 | 測定経験必要 |
メリット | 手軽に1人で測定し自己管理できる | 皮下脂肪の厚さの感覚で意識可 |
デメリット | 水分量によって数値変動しやすい | 脂肪が多すぎる方は不向き |
皮下脂肪厚から算出
身長と体重から体表面積が出ます、皮下脂肪厚を測定する事で体密度が算出され、体脂肪率が求められてきます。
ここでは難しい説明は省略させていただきますが、体脂肪率が出ると、脂肪量としてkgが出ます。
体重から脂肪量を引くと脂肪以外の全体重の除脂肪体重のLBMが算出できます。
大人になると身長もそこまで変化がないのでLBMの数値の変化が筋肉量になるわけです。
LBMを身長でわると1cmあたりの筋肉量として他の方々とも比較できる指標となります。
身体組成から見る項目
体重、体脂肪率、LBM/身長の数値が今後意識すべき数値となってきます。
身体組成として体重が増加して、体脂肪率が減少し、LBM/身長が増加すれば体が絞られ筋肉がついてきているというとても良いデータとなります。
成長期の学生では体重が増加して、体脂肪が減少すれば体のキレが出て、持久力も上がり、怪我のリスクも減るという事です。さらに筋肉が肥大していけばもっと良い形となるわけです。
このあたりをアスリートはデータ管理してコンディショニングとして意識を高めて自分の体を仕上げていくという流れになります。
データ活用の知識
上記のデータは女子高校1年生のバスケ部の選手です。入学前から測定を開始しておよそ1年間定期的に測定したグラフとなります。
緑色の部分がグラフ化して左から体重、体脂肪率、LBM/身長(筋肉量の指標)を出しています。
体重が増加しながら体脂肪率が減少し、筋肉量も向上しているのでトレーニング成果と食事指導もして意識改革ができ良い体づくりになっています。
さらに周囲計も測定する事でパーツのサイズの筋肥大も確認できているので練習しながらも成長をデータで確認する事ができています。
今回は1つの例ですが、プロ選手にも同様年間通して測定してデータを管理して意識改革や刺激を与えて体の変化を数値化しています。
このように測定することで現在の取り組みが良いのかイメージができ、選手だけでなく指導するスタッフにも良い影響があり、練習や私生活の改善が必要かトレーニングの強度が足りているのか、やりすぎているのかもヒントが隠されています。
皮下脂肪の厚みの感覚
キャリパー法の良いところは実際に皮下脂肪を自分自身でも毎日のように摘んで測定してデータを取っていくと、触った感覚だけで脂肪が増えてしまった減ってしまったという事が確認でき微調整を行えるようになります。
このあたりはキャリパー法が意識が高まる点となります。
皮下脂肪の厚さは部位によっても異なりますので、個人差があります。
どの部位が脂肪がつきやすいのかという点やどの部位が落ちにくいのかという点も確認できてきます。
スポーツ選手や一般の方でも体脂肪率をコントロールできるようになると競技や仕事での疲労感にも影響してきます。
特に体脂肪が多いデメリットとしては持久力が低下してしまい、怪我のリスクも高くなってしまいます。
逆に体脂肪が少なすぎてもホルモンバランスや筋膜や骨膜の障害が起こりやすくなってしまいます。
また競技や仕事によっても体脂肪率の必要性は異なってきますので専門家のアドバイスをいただくことが大切になります。
まとめ
・体脂肪を測定する方法にはインピーダンス法とキャリパー法がある
・インピーダンス法は簡単に1人でも測定できるが水分量に影響するので測定するタイミングを毎回同じにする方が指標となる
・キャリパー法は難易度はあるが皮下脂肪厚より測定するためアスリートが採用している測定方法
・両者一長一短あるが大切なことは継続して測定してそのデータを活用すること
・体脂肪率は多くても少なすぎても良いわけではなく、競技によっても必要性は異なる
自己管理が得意な方はインピーダンス法で同じタイミングで測定すると指標となりコンディショニングとして優位に活用できるわけです。
自分で管理できない方や皮下脂肪に着目している方はキャリパー法を活用してコンディショニングを意識してパフォーマンスに活かすとトレーニングや食事での改善点が見えてきます。
今回は体脂肪の測定方法を簡単に解説いたしました。
今後さらに詳細に記事投稿していきます。
今回の記事が参考になり、興味がある方はお問い合わせください。
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