体脂肪率を気にしている方は多いのかと思います。
スポーツ選手の場合、体脂肪が多いことで最も影響することは持久力に影響することです。さらに体脂肪が多いことで怪我のリスクが増します。
これに反して体脂肪率が低くなると疲労骨折や肉離れなど骨膜や筋膜の怪我をしやすくなる点も考えられます。
スポーツ選手にとって体脂肪率だけでなく身体組成をいかにコントロールしてコンディショニングやパフォーマンスに繋げていくかでライバルとの差ができることは一つの指標となります。
私は現在プロバスケチームでアスレティックトレーナーとして24年間活動してきました。毎日プロ選手の治療やテーピング、リハビリやコンディショニングにサポートしています。
また学生から大人まで各カテゴリーにて対応してきた実績もあり、現在U15/U18の中学生や高校生へのサポートも携わっています。
皮下脂肪の厚みを測定して算出するキャリパー3点法をスポーツ選手に長年活用してきた経験をお伝えしていきます。
【結論】
・キャリパー3点法でスポーツ選手の意識改革やモチベーションの維持向上が活用できます
・データを定期的に測定することでPDCAサイクルできコンディションの修正改善を行える
・自分の取り組みがデータ化されてやることが明確となり成果へつながる
・体脂肪率だけでなく体組成のデータから練習やトレーニング、食事の取り組みが改善できる
個人的な意見としては体脂肪率だけでなく基本となる体重と筋肉量の指標がスポーツ選手にとってコンディションに多いに役立つのでキャリパー法で皮下脂肪の把握をしてみるべき項目に注目していただきたいと思っています。
目次
皮下脂肪厚測定
最近はフィットネスジムでも体組成が測定できるInBodyが設置されている施設が増えています。
私の利用しているところでも設置されていてアプリにも反映されるようになっています。
チームでもInBodyを活用しながら、キャリパー法で皮下脂肪厚を測定し両方のデータを参考にしています。
体脂肪率の測定方法
体脂肪率を測定する方法は家庭でも体重計タイプなど普及しているインピーダンス法と皮下脂肪から測定するキャリパー法の2つが一般的です。
インピーダンス法
インピーダンス法は体の水分量を介して体脂肪率を測定するタイプのものです。
体水分量が多くなると体脂肪率は減少し、体水分量が少なくなると体脂肪率は高くなります。
そのため水分の摂取によって数値も変動しやすい特徴があるので毎回測定する際に同じ条件で測定することで表となるわけです。
キャリパー法
キャリパー法はキャリパーという皮下脂肪を摘む道具が必要となり、1点法、2点法、3点法と測定部位や計算式が異なるタイプがあります。
キャリパー1点法に関してはこちらで詳細確認できます↓
>>【体脂肪率】皮下脂肪厚測定のキャリパー法(1点法)の測定方法
キャリパー2点法に関してはこちらで詳細確認できます↓
>>【体脂肪率】皮下脂肪の厚みを測定して算出するキャリパー2点法
キャリパー3点法
私は上記のタイプのキャリパーを使って皮下脂肪を摘んで厚みを測定しています。
特徴
・キャリパー3点法の特徴としては、プロ選手も実際に活用してコンディション調整の指標としています。
・仕事として選手を管理するにはとても有意義になる測定方法です。
・男性・女性の計算式の差がなく測定できるのでジェンダーの方などすべての方に対応できます。
・測定するキャリパーを使いこなすには0.5mm単位の測定なので練習の必要性があります。
・難しい計算式を使用するためPCなどで表計算ソフトを活用する必要があります。
上記のような点が特徴としてあります。
測定方法
キャリパーを使って皮下脂肪を3箇所測定し、身長/体重から体脂肪率などの体組成を算出します。
・上腕部(上腕三頭筋部)
・肩甲骨下角
・腹部
身長、体重から体表面積を算出して、
体表面積と皮下脂肪厚3箇所のデータから体密度を算出することで体脂肪率がみち引き出せます。
体脂肪率(%)が算出できると脂肪量(kg)、LBM(kg)、筋肉量の指標となるLBM/身長(kg/cm)が指標となるデータです。
計算式はかなり難しいため今回は省略させていただきます。
その代わり私のもう一つのブログ『ジャンクトレーナーのケアルーム』にて数値を入力するとデータ反映されますので参考にしてください。
>>詳細はこちら
キャリパーの選別
キャリパーにも様々なタイプがあります。
・プラスチック製の安価なタイプ
・デジタルタイプ
・目盛幅に0.1mmから2.0mmと様々あります
・高精度に測定できるタイプ
仕事として活用するのであれば高精度のキャリパーを活用すべきです。
選手も現在オンラインやSNSでいろいろな情報を入手できる時代です。測定者としても専門性や権威性が必要な時代となっています。
その際に安価なものを使用してしまうと見下されてしまい、せっかくのデータに信頼してもらえなくてはなりません。
スポーツ選手のコンディショニング
このキャリパー3点法で得たいものは体脂肪率だけでなく体組成としてのデータです。
体重の増減
当たり前ですが、最も一般的なチェック項目は体重です。
体重は小学生での増減するので大きな指標となります。
ただし、体重が増えたといっても脂肪で増えたのではコンディショニングとしては悪くなってしまいます。
そこで体脂肪率があると何で体重が増加したのかが確認できます。
体脂肪率の増減
体重が増加して体脂肪率が増加してしまうと単純に脂肪太りしたということです。
体重が増加して体脂肪が減少したなら筋肉量が増加したということになりやすくコンディションは向上している指標になります。
体脂肪率も多過ぎる、少な過ぎることによって良くも悪くもなります。
この辺りは競技によっても特徴があるし、脂肪があることによるメリットもある競技もありますので、ご自身の関わる競技の特性を理解して対応する必要があります。
脂肪量の把握
体脂肪率はパーセンテージで表記されるので実際に脂肪が何キログラムあるかというイメージはしにくいものです。
ここで認識できるのが脂肪量となります。
例えば体重70kgで体脂肪率が20%だと脂肪量は14kgあるということになります。
14kgのお守りを身につけて競技をしているということになります。
これが体重70kgで体脂肪率15%になった場合脂肪量は10.5kgになり、その分筋肉量が多いということになります。
スポーツで3kg以上違うと大きな感覚の違いを感じれるかと思います。
上記を車で例えると一般車と軽量化されながらもハイスペックなエンジンを搭載したスポーツカーの違いになるわけです。
こういったちょっとした違いを認識して体で変化を感じてコンディション調整やモチベーションに繋げられます。
筋肉量の指標
体重から脂肪量を引くとLBMという項目になります。
LBMとはLean Body Massの略で除脂肪体重。
骨、内臓、筋肉、血液など脂肪を除いたすべての体重を指します。
中学生程度ではまだ成長過程ですので発達していますが、高校生以上になればLBMの大きな変化は筋肉量となります。
そのため、筋肉の増減を示す指標としてLBMを活用します。
さらにLBMを慎重で割ることで1cmあたりの筋肉量をイメージできるため他者との比較材料となります。
【LBM/身長】の項目が筋肉量の指標として活用できるのです。
例えとして…
体重が増加しても、体脂肪率も増加して、LBM/身長が減少していれば体重の増がの要因は脂肪によって増えたということになり、食事や練習量などの修正をすることができます。
要するにPDCAサイクルの活性化が起こります。
PDCAサイクルとは
Plan:計画を立てる
Do:実行してみる
Check:計画を実行して評価する
Action:修正点があれば改善する
キャリパー法で測定して現場の把握をする
p:問題点を見つけどうすればよいコンディションとなるか練習やトレーニング、食事の計画を立てる
D:計画を実行する
C:1-2週間など期間を決めて実行して再びキャリパー法で測定する
A:体組成データから良い点、うまくいかなかった点を確認して、練習、トレーニング、食事に対する計画を見直す
P:サイド計画を立てて実行してを繰り返すこと(PDCAサイクルを回す)で結果にコミットした内容へと改善して効率性が増していく
このようなことを短期間、長期間実施していくとやるべきことが明確化して取り組む意識改革、モチベーションの維持向上へとつながっていくわけです。
スポーツ選手だけでなく、一般の方でも目標を設定して、それに向かって効率よく対応できれば成果は得られ、継続できるものです。
以下に努力を継続できるか、そのためにはマインドセットと気づきや指摘をもらってモチベーションを維持向上できるかということも要素の一つだと感じています。
私は選手をサポートする立場で関わり、皮下脂肪厚を測定するキャリパー法がとても役立ち、仕事でも一つの測定技術として財産となっています。
まとめ
今回、皮下脂肪厚測定のキャリパー3点法でスポーツ選手のコンディショニングというテーマで記してきました。
【まとめ】
・キャリパー3点法でスポーツ選手の意識改革やモチベーションの維持向上が活用できます
・データを定期的に測定することでPDCAサイクルできコンディションの修正改善を行える
・自分の取り組みがデータ化されてやることが明確となり成果へつながる
・体脂肪率だけでなく体組成のデータから練習やトレーニング、食事の取り組みが改善できる
キャリパー法を活用することでスポーツ選手のコンディショニングに良い働きかけが行えます。
体脂肪率の測定にはインピーダンス法のInBodyもありますが高額な機器となり手短に扱えるものではない点があります。
キャリパー法は練習することは必須ですが、いつでもどこでもキャリパーがあれば測定可能で高精度のキャリパーも数万円程度で購入できます。
私自身24年間測定してとても有用でき選手の数値化という点とアドバイスによってパフォーマンスの向上と怪我の予防にも多いに役立っています。
キャリパー法を学んでみたいという方がいましたら、お問い合わせよりご連絡ください。
今回の記事が参考になれば幸いです。