内くるぶし下のやや前方が出てきてしまい痛みが出るケースが10才くらいから起こってくる選手がいます。
外脛骨(がいけいこつ)と言いますがかなり痛みを伴ってしまい後遺症となって大人になっても痛みが出やすくなってしまいます。
場合によってはシューズを履くことでも痛みが出てしまうので、再発を予防する事、セルフケアをしっかりと行なって対応方法を身につける事も大切です。
最も大切なことは小学生や中学生では知識がないので対応の仕方がわからなくて当たり前です。
保護者が理解していかに専門家に相談して、対応方法や動作改善などにアプローチしていくかということになります。
私は現在プロバスケチームでアスレティックトレーナーとして活動して24年となるベテランのトレーナーです。
プロ選手でも外脛骨障害で後遺症として残って痛みと共存している選手も多いです。
小学生からプロ選手まで各カテゴリーを経験してきたので参考になるかと思います。
外脛骨は後脛骨筋(こうけいこつきん)という筋肉が舟状骨(しゅうじょうこつ)についていますが、舟状骨から外脛骨が発達してしまい形成されてしまうケースもあります。
特にバスケットボールはピボットやジャブステップ、ドライブと足への切り返し動作に大きな負担がかかってしまい、動作習慣が悪くなってしまうことで足への負担も大きくなってしまい、発症してしまうケースもあります。
この辺りは動きづくりをして負担が一箇所に集中しないようにすることでリスク回避ができますが、動作を改善するには様々なアプローチが必要となってきます。
【結論】
・後脛骨筋の柔軟性低下や過度な負担によって牽引力がかかり隆起してしまうこともある
・踵の骨が回内し過ぎてしまうことでアーチが潰れて負担がかかりやすい
・ピボットや切り返し動作での足の使い方を意識させ動きを修正する必要もある
・セルフケアでバスケで使ったダメージをリカバリーする必要がある
個人差もあるのでアプローチ方法も症状や時期によっても異なるのであなたにとって必要なことを取り組んでいただければと思います
それでは外脛骨障害の解説をしていきます。
目次
外脛骨障害とは何か?

上写真左は足関節の内側です。わかりにくいですが、右写真を見ると内くるぶしよりも骨が出っ張っているのが分かると思います。
この部分が外脛骨障害で中学生時にかなりの痛みがあったというプロバスケ選手の足です。
後脛骨筋という筋肉が付着しているため牽引される負担もかかりやすい状態です。
10才-17くらいの年代で痛みが出やすく女子に発症しやすいとのデータもあります。
足部の構造

後脛骨筋は足関節の内側を安定させる筋肉でもあるためバスケットボール選手にとっては重要な筋肉の一つです。
足関節を安定させるために耐える筋肉としても機能する必要があるので上図右の赤丸の部分に筋肉が付くために引っ張られて外脛骨が隆起してしまいます。
分かりやすくいうとオスグッドのように膝下が出っ張ってきてしまうことが足の内側で起こっているというわけです。
原因として

外脛骨障害の原因としては以下の影響があります。
・生まれつきの足の構造
・運動強度が高くなって切り返し動作やピボットなど横への動きが増加している
・走ったりジャンプしたりとバスケでの疲労がリカバリーしきれていなく柔軟性低下
・足の使い方が悪く負担がかかりやすい状態となっている
運動強度での負担増加
小学生5年生くらいからバスケットボールの練習や試合での運動頻度や運動強度が増加して疲労が蓄積してしまい、柔軟性が低下して外脛骨への負担が大きくなってしまい痛みが出てしまうケースもあります。
このようなタイプではリカバリーして行けば痛みが軽減して問題なくプレイできるようになりますが、一度痛くなると持続するのでしっかりとセルフケアを継続して実施することが大切です。
足の構造

小さい頃からの歩行や習慣によって足にも扁平足やハイアーチと足部の構造が人によって異なります。
特に影響するのが踵の骨の傾きによって足部の構造も変化して負担のかかりやすい部分が異なってきます。
踵骨(しょうこつ)という踵(かかと)が回内(かいない)していると外脛骨への負担は大きくなってしまいます。
足の動作習慣によって
特にバスケットボールの動作での悪い習慣による影響は大きなダメージとなっていきます。
小学生ではピボットも上手に行えない選手も多く足の一部分に負担がかかってしまうと影響してきます。
外脛骨と関連する足の構造としては以下のようなものが関連しています。
・外反母趾
・扁平足
・踵骨の回内
・シンスプリント
・前十字靭帯
・内側側副靱帯
・鵞足炎
このような怪我とも関係性が出てきます。
対応策として
外脛骨障害にどのように対応していくかです。
痛みが強い際は休んだ方が良いケースもあります。
・通常歩行ができないレベルの痛み
・シューズを履くだけでも圧迫されて痛みが強い
このような時はバスケットボールを行うことで悪化してしまいますので休んでリカバリーを重視すべきです。
ストレッチ

運動すると筋肉は硬く縮む性質があるのでストレッチがとても大切となります。
後脛骨筋は深部にある筋肉なので表面の大きな筋肉も緩めてゆとりを出した状態でストレッチするとより効果的です。
ふくらはぎの筋肉と後脛骨筋のストレッチを行いましょう。
アイシング

運動後はアイシングを行なって患部の炎症を抑える必要があります。
炎症症状が痛みとして患部に影響しています。
アイシングの方法としてはアイスバッグとビニール袋での方法がありますが、小学生や中学生ではアイスバッグの方が使い勝手がいいです。
なぜなら、アイシングは氷を平らにする必要があり空気を抜いて留めます。
これがなかなか難しいのと寒冷蕁麻疹や凍傷のリスクもあるので慣れるまではアイスバッグの方が安全性も高いです。
アイシングは冷たいとすぐ外してしまわないようにバンテージで固定して20分程度行うことで冷却できます。
しっかり冷えていると皮膚が赤く反応して触れても冷たくなっています。
しかし炎症が強い部位では白く反応して触れると温かいです。
それだけ熱を持っている証拠ですので、痛みが強い場合では20分間アイシング後40分間隔を空けて再び20分冷やすといいです。
バスケ競技での動作改善

バスケットボールでもストライドステップやピボットでは上写真左のように足先が外を向き膝が内側に入り込んでしまうケースがあります。
こうなるとアーチも下がって外反母趾にもなりやすく、踵も回内してしまい外脛骨への負担が大きくなり痛みが出てしまうわけです。
この辺りが極端に悪いケースでは動作改善は必須となりいかに一部分に負担をかけないように圧力を分散できるかがポイントとなります。
強化

後脛骨筋の強化をすることで耐性がつき、筋持久力として対応できるようになっていきます。
ただし後脛骨筋を強化していくと内反足関節捻挫の方向へと導いてしまうことにつながってしまいますので、外側の足関節を安定させる腓骨筋と同時に強化していくと良いでしょう。
テーピング
外脛骨障害に対するテーピングの動画↓↓↓
注意点として

外脛骨障害では意外な落とし穴もあり、厄介な症状として後遺症も出てしまいます。
痛みが強い時
成長期に痛みを誘発してしまうとかなり痛みが長期化することもあります。
通常の歩行で痛みが強く歩けなければバスケ所ではないわけです。
季節や天候によって痛みが変化するという選手もいます。
湿度が高い時に痛みが強くなるというプロ選手もいましたので後遺症として残ってしまうわけです。
シューズを履いただけで痛みが出ること、テーピングで圧迫されることで痛みが出ること、靴下を履くだけでも痛みがあって気になる選手もいました。
このようなケースで痛みが強い際は無理して競技しても集中力にも欠けてしまいプラス要素よりもマイナス要素の方が強くなってしまうことがあるので、休んでリカバリーした方が良いケースもあります。
足関節捻挫で痛みが長期化する事も
足関節を捻挫したことで外脛骨に痛みが強く出てしまうケースがあります。
内反捻挫の場合引き延ばされるわけではなく、外脛骨で衝突が起こったわけでもないのですが、痛みが長期化して治りが悪い傾向で後遺症という形です。
そうなると捻挫での痛みは軽減しても外脛骨上の痛みがなかなか引かないということもあります。
圧迫されると痛みや違和感も
足関節捻挫の場合では外脛骨上にテーピングがかかることで圧迫されて痛みが気になってしまうというプロ選手もいました。
外脛骨の場合、後脛骨筋や踵骨の回内に対してテーピングを巻くことで有効な働きを出せるものですが、外脛骨上に痛みがあり圧迫されることで違和感が出てしまうケースもあるので、テーピングも避ける方が良いケースもあります。
今回テーピングでは外脛骨を避けるようにしたテーピングの巻き方を動画で上記に紹介しています。
参考にしてください。
まとめ
今回、バスケ選手必見!外脛骨障害の原因と対策を徹底解説というテーマで記してきました。
【まとめ】
・後脛骨筋の柔軟性低下や過度な負担によって牽引力がかかり隆起してしまうこともある
・踵の骨が回内し過ぎてしまうことでアーチが潰れて負担がかかりやすい
・ピボットや切り返し動作での足の使い方を意識させ動きを修正する必要もある
・セルフケアでバスケで使ったダメージをリカバリーする必要がある
外脛骨は後遺症として痛みがちょっとしたことで出やすいことがあります。
一番は小学生の時からバスケットボールの競技特性を生かしつつ、基本的な体の使い方を反復練習してピボットやカッティングでの負担を軽減できるように動き作りをしつつ、セルフケアでリカバリー力を高めて対応して欲しいです。
その努力が軽傷や痛みを予防することができ大人になって感謝できるコーチングと理解できるようになります。
今回の記事が外脛骨障害の方、これから予防して対応していく方の参考になれば幸いです。