成長期のスポーツ選手には成長痛となる特有の症状があります。
成長のタイミングは個人差もありますが、人は急に成長する部位があります。
成長促進時期と運動の強度や運動量によって疲労回復が間に合わず症状として発症してしまうケースがあります。
私は現在プロバスケチームでアスレティックトレーナーとして活動し24年間プロ選手の対応をしてきています。
その間小学生からプロ選手まで各年代のカテゴリーも対応してきています。
現在もU15やU18の中高生のサポートもしています。
成長痛にも年代によって発症しやすい部位や関わる競技によっても痛みが出やすい部位も異なってきます。
私はバスケットボールに長年関わってきましたのでバスケットボールを例にしながら成長痛に関するブログ記事を投稿してきました。
今回はよくある質問をまとめて成長痛というテーマで各症状別に質問に回答しています。
【結論】
・成長痛は長期間痛みが持続するので家庭でもできるセルフケアを継続する必要があります。
・成長痛による痛みは基本的には運動をしながら対応していけますが、症状が強い場合は休む必要もあります。
・骨が急速に成長するだけでなく筋肉が疲労によって硬く縮むので牽引力が強く骨が変形しやすい時期です。
・ひどくなると骨の剥離が起こってしまい後遺症として痛みが出やすいケースもあるのでケアが必要です。
・動作習慣が悪くより牽引力がかかっているケースもあるので専門家に診てもらうことも対応策です。
どんな症状にも共通する基本的な考えとなります。
通常の歩行が困難な状態で運動を無理にすれば悪化してしまいます。
いかに日々良い状態にしておくかということが大切になるので症状に対する知識もつけましょう。
こちらのも参考にしてください↓↓↓
>>【まとめ】バスケ選手に発生する成長痛に対する理解度アップ
それでは各症状に関しての質問に回答しながら解説していきます。
オスグッド・シュラッター病

Q1.オスグッドの痛みはどの部分に感じますか?
膝のお皿の下には脛骨(けいこつ)というスネの骨がありますが、オスグッドはお皿の下にある脛骨粗面(けいこつそめん)が痛くなる症状です。
膝を伸ばす筋肉は大腿四頭筋(だいたいしとうきん)という筋肉がお皿(膝蓋骨しつがいこつ)について膝蓋靱帯(しつがいじんたい)となって脛骨粗面につきます。
大腿四頭筋-膝蓋骨-膝蓋靱帯-脛骨粗面
脛骨粗面は成長期では骨が伸びる部分なので柔らかい骨であり筋肉の引っ張りが強いことで骨が隆起してしまいます。
骨が引っ張られるため炎症が起こり痛みとして発症します。
Q2.オスグッドの発症の原因は何ですか?
小学生の5年生頃になると身長もどんどん伸びてきます。
個人差があり小学4年生から中学2年生くらいに伸びやすい時期です。
最も身長が伸びるのがももの部分の大腿骨(だいたいこつ)です。
骨の伸びる速度と筋肉の伸びる速度が同じではなく骨の伸びる速度が速くなります。
さらに小学生高学年になるとスポーツ活動が盛んになり運動量も増加して筋肉の疲労もして柔軟性が低下していきます。
筋肉は疲労すると硬く縮まってしまう性質があります。
骨は伸びたい
筋肉は縮んでしまう
よって引っ張られる力が増大してついている骨に大きな負担がかかって痛みとして発症します。
Q3.オスグッドの自宅でできるケア方法はありますか?
上記でも説明しました
対応策としては3つあります
・骨の炎症を抑えること
・筋肉の柔軟性を良くすること
・動作習慣で負担がかかりやすい場合は改善すること
・骨の炎症を抑えること
付着部である脛骨粗面は負担がかかって炎症症状によって痛みが出ますのでアイシングが必要です。
・筋肉の柔軟性を良くすること
筋肉は大腿四頭筋という筋肉が最も影響します。
大腿四頭筋(だいたいしとうきん)は4つの筋肉からなっています
・中間広筋(ちゅうかんこうきん)
・内側広筋(ないそくこうきん)
・外側広筋(がいそくこうきん)
・大腿直筋(だいたいちょっきん)
膝前面を伸ばすストレッチと股関節の前面を伸ばすストレッチが大切になります。
・動作習慣で負担がかかりやすい場合は改善すること
大腿骨の成長による影響ですが、前面の大腿四頭筋だけストレッチをすればいいのではありません。
大腿部には前面・後面・外側・内側と筋肉に覆われています。
全体的に柔軟性が低下しやすく、股関節の動きも制限がかかってしまいやすい時期でもあります。
運動時にスクワットやパワーポジションというフォームがありますが、このフォームが膝の前面に負担がかかりやすい動作だと痛みが発症しやすくなってしまいます。
動作を改善することでバランスが良くなり膝の前面部に負担が軽減できるケースもあります。
Q4.オスグッドには後遺症などはありますか?
オスグッドの後遺症としては膝の脛骨粗面の痛みが継続することがあります。
レントゲンやCTの検査をすれば骨の状態が確認できます。
後遺症として多いのが脛骨粗面の剥離が起こってしまっていることで成長期が過ぎ骨が安定しても慢性的に痛みが出やすくなってしまうことがあります。
特に膝を床や地面に強打したり、膝同士がぶつかってしまったりと大きなダメージによって痛みが再発することは起こりやすいケースです。
Q5.スポーツ選手にとってオスグッドの影響はありますか?
スポーツ選手にとってオスグッドの影響は症状が強く通常の歩行ができないほどの痛みの際は運動をすることで悪化することが明らかです。
このような時期は休んで回復を優先すべきタイミングだと思います。
症状の確認としてのチェックポイント
①前日と比較した痛みの状態
②朝起きて1時間程度経った際の痛みの前日比やコンディション状態の確認
③運動中の痛みの変化の確認
④夜や寝ている際にも痛みが強いケース
上記を確認する必要があります。
①前日と比較した痛みの状態
痛みの程度の確認ができ、セルフケアを実施できたか、練習や試合でのダメージはどうだったのかなど見返す材料となります。
②朝起きて1時間程度経った際の痛みの前日比やコンディション状態の確認
前日と比べて痛みが増加していれば悪化傾向であり、セルフケアの徹底をする必要があるということです。
朝起きて1時間程度すれば、寝ていて体の固まった筋肉もほぐれるので指標となります。
③運動中の痛みの変化の確認
A.練習前からずっと痛くどんどん痛みが増してくる
B.練習最初は痛いけど、ウォーミングアップ後は痛みが軽減する
c.最初は痛くないけど後半になると痛みが出てくる
このような痛みの変化が起こりやすいです。
Aでは状態が悪いのでリカバリーをしっかり行い専門家に治療をしてもらう
さらに練習前に歩行でも痛い場合は悪化するので足を使わなくてもできる事に制限する
Bでは柔軟性の低下による痛みなので運動前のストレッチをしっかり行うことや大腿四頭筋の筋膜リリースも有効です。
Cでは筋持久力による影響です。疲労してくることで筋肉が縮んできた証拠なので、練習の休憩のタイミングでストレッチを行なって良い状態にすると軽減できることもあります。
参考記事
オスグッドに関する詳細の記事を投稿しています。
こちらを参考にしてください↓
>>成長期のバスケ選手が知っておくべきオスグッド病の症状と対応
踵の骨端症シーバー病

Q6.踵のシーバー病の原因は何ですか?
小学生になると足のサイズが大きくなる時期があります。
個人差もありますが小学1-4年生で足のサイズが大きくなりやすい時期です。
踵の骨端症には大きく分けると2つの筋肉が踵に付きます
①足の裏には足底筋があり踵(かかと)に付着しています。
②アキレス腱が踵に付着しています。
特に足のサイズが大きくなるので①の影響が大きいのが特徴です。
この時期に運動を開始することで足への負担が増加して影響してしまいます。
・骨は足のサイズが大きくなることで長くなっていきます。
・筋肉は歩くことで引っ張る力が加わり骨に牽引ストレスが加わります。
・この時期に運動量が大きいと筋肉が硬く縮まって骨を引っ張る力が増加してしまいます。
①は体重がかかるだけでも負担がかかり歩くことで足裏の筋肉を使っていますので日常でも負担がかかってしまいます。
②は運動にて走ったりジャンプしたりの負荷が増加することで骨への牽引ストレスが増加して痛みが出ます。
このように踵の骨の成長と筋肉を使うことで硬く縮まってしまう事による負担増で骨の炎症が強くなり痛みとして出現します。
Q7.踵の骨端症発症に関連するスポーツはありますか?
以下のような特徴がある競技では痛みが発生しやすいです。
・走る
・跳ぶ
・繰り返し動作
・踏み込み
・踵への衝撃
足に負担がかかる競技では起こりやすいのが特徴です。
・バスケットボール
・バレーボール
・体操
・サッカー
・陸上
このような競技では痛みが出やすい傾向です
Q8.踵の痛みに対する家庭でできるケア方法はありますか?
踵の痛みに対しては骨が引っ張られて炎症が起こるのでアイシングが有効です。
筋肉の柔軟性低下にはストレッチが有効です。
・足裏のストレッチ
・アキレス腱のストレッチ
この2つのストレッチはしっかりやる事が大切です。
Q9.学校への影響はありますか?
踵の骨端症の一番の特徴は朝起きた時の踵の痛みが特徴的です。
寝ている時に筋肉が固まり朝起きて歩き出しに硬い筋肉が無理やり伸ばされることで踵の痛みが誘発されます。
しかし学校での活動中は痛みが出ずに夕方になると再び痛みが出てくる現象があります。
朝起きた際は筋肉が固まって縮んだ状態で痛みが出ますが、学校の登校で歩く事で筋肉がほぐれて状態が良くなり骨への牽引ストレスが減少します。
しかし、夕方になると足裏の筋肉が疲労して再び硬く縮まってくるため踵に痛みが出現します。
学校での活動ではそれほど大きな問題にはならないでしょう。
ただし、歩行できないような痛みの場合は骨の剥離なども確認する必要があるのでレントゲン等の検査を実施して状態の確認をすべきです。
Q10.踵の骨端症でサポーターやインソールの活用法は?
踵の骨端症は成長痛なのでしっかりとセルフケアを行なって状態を良くして運動活動を継続していく事です。
踵の骨端症は踵を握ると痛みが誘発される兆候があります。
運動時に痛みがある場合は踵に対してテーピングが有効で痛みを軽減できます。
サポーターでは圧迫しづらくテーピングで圧迫を踵にかけることでかなり痛みを軽減でき負担を減少できます。
サポーターよりもテーピングの方が利用価値があります。
インソールは個人差があるので専門家に対応してもらうようにしましょう。
インソールで大切な点は動作習慣による過度の負担による変形やアライメント不良です。
踵の骨端症のためのインソールはそこまで必要なく足の指なども使えるように動きづくりをした方がより良い形になります。
シーバー病のように骨にかなり影響しているケースではインソールにて負担軽減も大切となってきます。
参考記事
踵の骨端症に関する詳細の記事を投稿しています。
こちらを参考にしてください↓
>>【踵の骨端症】朝起きたら踵が痛いと子供が言ってきたシーバー病
外脛骨障害

Q11.外脛骨障害とは何ですか?
足首の内側にあるくるぶしの下前方にくるぶしと同じくらい骨が隆起してしまう症状で痛みも発症するタイプを有痛性外脛骨障害と言います。
舟状骨(しゅうじょうこつ)という骨には、生まれつきの場合もありますが外脛骨という骨が発達してしまうこともあり原因不明な点もあります。
運動によるケースで最も影響するのが後脛骨筋(こうけいこつきん)という足首の内側を安定させる筋肉が舟状骨に付着して、筋肉の引っ張る力が競技特性によって大きくかかり骨が引っ張られて痛みと骨の出っ張りとして発達してしまいます。
外脛骨障害ではシューズを履くことで圧迫されるので痛みが靴を履くだけでも起こってしまうケースもあります。
個人差がありますが、小学生5年生から中学生にて痛みが出やすい年代となります。
Q12.外脛骨障害の治療方法にはどのような選択肢がありますか?
外脛骨障害では競技特性の動作習慣によっても引き起こされるケースがあり、足の使い方の一部分に負担がかかりすぎることで発症していくことが影響します。
治療方法としては
・痛みがある外脛骨の部分に対しては炎症を抑えるアイシングが有効です。
・筋肉が疲労することで硬く縮まってしまうのでストレッチで柔軟性を高める必要があります。
・競技中の動作習慣に問題があれば動きの改善をしていくことが根本治療となります。
・足のアライメントが問題となっているケースではインソールを作ることもとても重要です。
外脛骨障害は痛みが持続しやすいのでいかに初期の対応をしっかりしていくかが重要となります。
保護者の方が裸足の際に足の形状を確認して骨が隆起していないか確認して予防しましょう。
Q13.スポーツや運動をどのように外脛骨障害に対応すべきですか?
外脛骨障害は痛みが出たり、骨が隆起してしまうと後遺症として痛みが残ってしまいやすいのも特徴です。
一番は競技を始めた際に基本となる動作を正しく指導することです。
コーチや保護者が足の使い方を確認して問題となる動作習慣を防ぐように意識してほしい点です。
バスケットボールで例えると
・ピボット時の足の使い方
・足の内側を過度に使って蹴ってカッティング動作などの切り返しを実施
・足先に対して膝が内側に入りすぎている
このような動作習慣は確認していく必要があります
Q14.外脛骨障害の進行を防ぐためには何が重要ですか?
外脛骨障害の場合は踵(かかと)のアライメントも確認してほしい点です。
踵が内側に倒れていることを回内足(かいないそく)と言いますが外脛骨への負担がかかりやすい骨の構造となっています。
踵のアライメントによる症状
踵骨の回内(かいない)・・・外反母趾、扁平足、外脛骨障害、シンスプリント
踵骨の回外(かいがい)・・・内反小趾、ハイアーチ、足関節内反捻挫
こ症状のようなと関係性が起こりやすいです。
最も影響するのが競技特性の動作習慣による悪い癖が影響します。
この辺りは専門家の指導が必要となり時間をかけて動作改善もかかるケースがあります。
セルフケアの徹底をして筋肉に柔軟性を確保して骨への牽引ストレスを抑えることです。
Q15.外脛骨障害の後遺症はありますか?
外脛骨障害は後遺症が大人になっても残りやすい点があります。
・患部が触れるだけでも痛みが出てしまう
・テーピングで圧がかかると痛みが出てしまう
・足関節捻挫をすると痛みが引きにくい
・運動強度が高くなると痛みが出やすい
このような点が個人差もありますがプロ選手でも後遺症として小中学生時の影響が残ってしまうこともあります。
その日の調子によっても痛みのレベルが異なり気になっている選手もいます。
ですから以下の点を意識してください
・成長期の選手は外脛骨の知識がない
・保護者の方が気にかけてチェックしていく
・保護者が動作習慣を気に留めて見学すること
・早期発見して専門家に診てもらう
参考記事
外脛骨障害に関する詳細の記事を投稿しています。
こちらを参考にしてください↓
有痛性分裂膝蓋骨

Q16.分裂膝蓋骨の主な症状はどのようなものですか?
膝のお皿は膝蓋骨(しつがいこつ)と言いますが、最も多いのが上外側1/3で分裂してしまう症状があります。
膝蓋骨は成長とともに1つの塊となって膝蓋骨になったり生まれつきもありますが、まだ子供の際は柔らかい骨で成長していきます。
成長の過程で外側の引っ張られる力が影響して分裂した状態で固まってしまうことが起こってしまいます。
痛みが出るタイプと出ないタイプがあり、痛みがあるものを有痛性分裂膝蓋骨(ゆうつうせいぶんれつしつがいこつ)と言います。
症状としては膝蓋骨が引っ張られるので膝のお皿自体に痛みが出ます。
Q17.分裂膝蓋骨はどのような原因で発症するのですか?
オスグッドの際にも紹介していますが、大腿四頭筋による筋肉の影響があります。
大腿四頭筋(特に外側広筋)-膝蓋骨-膝蓋靱帯-脛骨粗面
オスグッドでは痛みが脛骨粗面に発生しています。
分裂膝蓋骨は大腿四頭筋の外側にある外側広筋の牽引力が強く引っ張られて膝蓋骨が分裂してしまうので膝蓋骨に痛みが出ます
大腿四頭筋は4つの筋肉から構成されている
・中間広筋
・内側広筋
・外側広筋
・大腿直筋
外側にある外側広筋が強く働くことで一部分に負担がかかってしまい外側1/3で分裂しやすい
競技特性や個人の癖によって筋肉の活動バランスが悪くなっていることが影響します。
Q18.分裂膝蓋骨の治療方法にはどのような選択肢がありますか?
分裂膝蓋骨の場合は骨が癒合する可能性があるかという点によって状況も変わってきます。
骨癒合する可能性がある場合は運動を控えていくことも必要となります。
一般的にはまず整形外科受診でレントゲンやCTや場合によってはMRIの検査で状態の確認が必要です。
一般的な治療や対処方法としては
・運動後はアイシングで痛みの原因の炎症を抑える
・筋肉の柔軟性を確保してゆとりをつくり骨の牽引力を抑える
・運動時はテーピングで筋肉をサポートして負担を軽減し、膝蓋骨の付着部に対しては圧迫して牽引を抑える
・動作習慣による癖や筋肉のバランスが影響しているなら改善する
・内側広筋の筋肉強化をして筋バランスを整える
このような点がアプローチ方法となります。
トップ選手でも分裂膝蓋骨の後遺症にて成長が安定した大学生時はシーズン制なので時期をみて手術をしたというケースもあり、その後プロや日本代表でも活躍していました。
Q19.分裂膝蓋骨の予防策にはどのようなものがありますか?
・動作習慣が問題となるケース
・元々のアライメントによる影響
・内側広筋の機能不全による影響
このようなことが影響しやすいです。
足先が外を向く-膝が内側に入る
運動時にこのパターンで起こりやすい傾向です。
予防策として
・動作を改善して負担軽減
・内側広筋の強化
・インソールにてアライメント調整
・テーピングにて負担軽減させてアライメント調整
・アイシングで炎症を抑える
・ストレッチで筋肉の柔軟性を確保
このような点に配慮することが負担を軽減できる対応策となり予防策にもなります。
Q20.分裂膝蓋骨の症状悪化を防ぐために何をすべきですか?
怪我の症状としてだんだんと痛くなってきた障害は以下のように変化します
A.だんだんと痛みが増して悪化していく
B.痛みのレベルは現状維持のままキープしている
C.運動しながらも回復傾向である
Cの状態では回復してきているので今取り組んでいるセルフケア等を継続していくことです。
Bの場合は悪化はしていないので運動は継続しながらセルフケアの頻度を増やすか専門家に診てもらうことで改善策が得れる可能性があります。
治療することでCのレベルに回復することも期待できます。
Aの場合は現在の運動に対してリカバリーが間に合っていないということです。
セルフケアを徹底して、他にアプローチ方法があれば対応することです。
専門家による治療や動作改善が必要の場合もあります。
運動の頻度と強度を確認する
1度の練習の運動強度が大会時期になると増加したり、試合になるともっと増加します。
このような際は痛みも増加しやすいのでセルフケアを特に意識して必要なら治療も受けることでリカバリーの回復とのバランスが保てます。
運動 < 回復 良くなっていきます
運動 = 回復 現状維持
運動 > 回復 悪化していきます
ちょっとしたことですが保護者の方もお子さんの疲労度を見て疲れていてもストレッチなどの対応をしっかりとするようにしましょう。
参考記事
有痛性分裂膝蓋骨に関する詳細の記事を投稿しています。
こちらを参考にしてください↓
腰椎分離症

Q21.腰椎分離症の原因は何ですか?
腰椎分離症の痛みが誘発される体勢としては腰を反らせて横に捻った際に痛みが再現できます。
腰の一部分で曲げ伸ばしが繰り返されことで腰の骨が分裂してしまうのが腰椎分離症です。
特に多いのが第五腰椎で分離症となりやすい傾向があります。
原因としては骨盤の動きと腰椎の動きが制限されて一部分に過度な負担がかかってしまうことです。
本来なら腰を全体的に動かして反らすことで腰椎に負担を分散できるのですが、一箇所に集中することで分裂してしまうわけです。
腰椎骨盤リズムと言いますが、骨盤がスムーズに動かせるようになることで腰の動きも負担が軽減されていきます。
特に競技特性で以下の動作が多い競技
・腰を反らせる動作の多い競技
・ターンやスピンなどが多い競技
バスケットボール、バレーボールなどでは発生頻度が高いスポーツ特性もあります。
Q22.腰椎分離症の治療法は何ですか?
腰椎分離症も時期によって対応の仕方は異なってきます。
A.初期段階で骨癒合が期待できる時期
B.すでに分離していて痛みが強く出ている時期
C.すでに分離しているが痛みは安定している時期
このようなタイプがあります。
Aでは骨がつく可能性があるので運動を中止してコルセット着用で過ごす様に医師から指示があるタイプ
Bではまだ痛みが強いので運動は控えて回復に当てていく時期
Cは痛みが軽減しているので体幹を強化してリハビリの時期
このように指導されることが多いものです。
私の考えではスポーツ選手としてのメンタルも大切と考えるのでBとCでは動作改善して体幹を強化してできることから運動を開始してセルフケアと筋力強化も行なっていき、競技にあった練習方法を別メニューで実行していきます。
Q23.腰椎分離症は再発しやすいですか?
長期運動禁止となっても中学生はじっとしていられないものです。
そのため骨癒合はしずらい傾向でもあります。
しばらく安静にすれば負担は軽減するので痛みも軽減します。
問題となっている腰椎分離症の原因に対してアプローチしなければ再び痛みは増加して再発してしまうケースもあります。
再発を予防するためには何が原因となっているのか確認して解決策を示すこととなります。
・炎症症状が強いため
・動きの制限があり一箇所に負担がかかってしまう
・悪い動作習慣によって偏った体の使い方をして負担増に
この様なことはそのままにせず確認が必要となるので専門家に一度見てもらうことで方向性が決まり対応策にもつながります。
Q24.腰椎分離症から身体活動を再開する際の注意点は何ですか?
以下の点を整える必要があります。
・動きの改善
・炎症症状の軽減
・体幹の安定感
・筋持久力
・柔軟性の確保
この様な点は対応しておく必要があり、競技の練習に突然参加すれば状態は悪化してしまうこともあります。
チーム練習に参加する段階的リハビリテーション
・痛みが出ずに行える体幹の強化
・静止状態でも行える競技特性の練習
・軽い動きを徐々に開始する
・時間での運動にて痛みが出るか確認する
・スキルワークアウトなど競技特性の強度や時間を増やす
・チーム練習に部分的に参加
・チーム練習に参加
この様なイメージで徐々に動作を確認して痛みが出ないか、負担がかかりすぎていないかを確認していきます。
痛みがないからと急に運動量を増やすことで反動が出てしまうケースもあるので徐々に上げていく、翌日の反応を確認することです。
Q25.腰椎分離症による後遺症はありますか?
高校や大学にてやはり腰痛にはなりやすい傾向はあります。
腰の張り感は出やすいかと思いますのでセルフケア等はしっかりと実施していくことを心がけてほしいです。
私が関わっているプロバスケ選手でも腰椎分離症の既往歴がある選手は比較的多い傾向ですので、現役中に大きな問題となっているかというと問題なくプレイしている選手は多いです。
腰椎分離症になると将来的に65歳以上の年配になった際に脊柱管狭窄症になりやすいという傾向はあるかと思います。
トレーニングやストレッチなどの運動を継続していかに予防していくかという点では後遺症を防ぐことも可能ですので生活習慣も大きな要因になっていきます。
参考記事
腰椎分離症に関する詳細の記事を投稿しています。
こちらを参考にしてください↓
まとめ
今回【Q&A】オスグッドや腰椎分離症などの成長痛に関する質問回答というテーマで解説してきました。
成長期では保護者も知識をつけて家庭でのセルフケアと専門家による治療や動作習慣の改善が必要となるケースもあります。
毎日選手にしっかりと継続させていかに強い痛みが発生しないかという予防策が大切になります。
【まとめ】
・成長痛は長期間痛みが持続するので家庭でもできるセルフケアを継続する必要があります。
・成長痛による痛みは基本的には運動をしながら対応していけますが、症状が強い場合は休む必要もあります。
・骨が急速に成長するだけでなく筋肉が疲労によって硬く縮むので牽引力が強く骨が変形しやすい時期です。
・ひどくなると骨の剥離が起こってしまい後遺症として痛みが出やすいケースもあるのでケアが必要です。
・動作習慣が悪くより牽引力がかかっているケースもあるので専門家に診てもらうことも対応策です。
選手は好きなことは一生懸命やりますが、疲れて体のメンテナンスをやるということは面倒で継続できない年代です。
成長痛は選手にとってセルフケアの重要性を教えてくれる良い機会となります。
長い人生のキャリアとして大学やプロ選手として競技を続けていくにはいかに体を大きな怪我から守っていけるかということはとても重要です。
選手のサポートを保護者も一緒に対応していただければと思います。
今回の記事が成長痛で悩んでいる方の参考になれば幸いです。
こちらのも参考にしてください↓↓↓
>>【まとめ】バスケ選手に発生する成長痛に対する理解度アップ