バスケ選手でも他スポーツでも成長痛は訪れてきます。
小学生の低学年では踵が痛くなり高学年では膝が痛くなります。
競技によっても成長痛は肘に出たり、足に出たり変化します。
それだけ競技によって負担がかかる部位は異なってきます。
バスケットボールでは脚に起こる成長痛が多く、痛みが強く出てしまうケースもありますが、成長過程ですのでいかに共存しながらも競技を行なっていくかがセルフケア等の対応策も大切となります。
私は現在プロバスケチームでアスレティックトレーナーとして活動しているベテラントレーナーです。
小学生からプロ選手まで各年代の選手を対応してきた経験があります。
バスケットボールの成長痛としてまとめましたので参考にしていただければと思います。
目次
成長痛とは

人の体は子供から大人になる際に体格が大きくなっていきます。
特に身長が最も伸びていきますが、時期によって骨が大きくなる時期も年代によって異なってきます。
筋肉は関節を挟んで骨についていることで関節を動かすことができます。
骨は成長しやすくまだ柔らかい部分があり骨の端が伸びやすくなっています。
成長と共に骨が急に伸びる時期は筋肉も同じように伸びていけば問題なく痛みは出ないのですが、スポーツを始めると筋肉をよく使うことで疲労してしまいます。
筋肉は疲労すると硬く縮む性質があるため骨を引っ張ってしまいます。
上写真のように骨の付着部が引っ張られることで骨が変形して痛みとして発症するのが成長痛というわけです。
上記は膝の成長痛のオスグッドの後遺症としてレントゲン写真で確認できる高校生バスケ選手のものです。
骨が安定すると痛みは軽減して問題ありませんが、上写真のように隆起して骨が変形し、遊離体となってしまうと後遺症として大人になっても痛みが出てしまうこともあります。
成長痛とセルフケア

成長痛は時期によっては痛みが強く歩くこともできないことにもなってしまいます。
外傷の怪我のように回復して短期間で治るものではなく、成長している間の長期間痛みが持続しやすいのが特徴です。
スポーツをしながらいかに対応策を実施して共存していくかがポイントとなります。
そのためには成長痛を理解してセルフケアの仕方を学び、毎日継続することで痛みのレベルを安定させていくことができます。
成長痛は自分自身の体と向き合い、医学的な知識を学び、どのようにリカバリーすれば大好きなスポーツを良い状態で行えるかの準備をして、アフターケアするという習慣を学ぶことができ、その後の競技生活において大切な事という大きな学びの時期でもあります。
成長痛の対応策として
・痛みに対しては炎症症状が出ている証拠なのでアイシングで冷却
・使った筋肉の状態を元に戻すにはストレッチで柔軟性確保
・動作習慣が影響しているのであれば動き作りや改善
・練習時に負担を軽減するにはテーピングやサポーターの装着
・それでも悪化しているなら専門家の検査や治療、指導を受ける
小中学生では経験値や知識も少なく自分自身では解決できないこともあるので保護者の協力が必須となってきます。
選手をサポートする保護者の役割
成長痛では小学生の低学年でも踵の骨端症が発症してきます。
子供は知らないことだらけで全てが初体験の状態です。
何が正しく何が間違っているか判断ができません。
中学生でも同様でまだまだ判断できないものです。
好きなことは一生懸命練習しますが、自分の体のメンテナンスはおろそかになりがちです。
疲れたり、面倒なことはやろうとしないわけです。
しかし、その反動として痛みが悪化して好きなことすらできなくなってしまうことにつながります。
選手に全てを任せることで症状が悪化してしまうことはよくあることです。
1度言ったからではなく常に言い続ける必要があり、一緒になって選手を導いてほしいものです。
それでもやらない場合は専門家の力を借りて対応するようにすることで気づきを得れることもあります。
小学生低学年で発症する踵の骨端症

小学生低学年では足のサイズが大きくなる時期で踵の痛みを訴える選手が出てきます。
特に朝起きて歩き出しに痛みが強く出るタイプの成長痛です。
体重がかかることで足裏の筋肉が使われて骨を引っ張ることで踵に痛みが出ます。
夜寝ると足を使わないので筋肉が硬く縮まって朝起きた際に踵への牽引される力が増加するので痛みも強く出ます。
しばらくすると筋肉も使うことで柔軟性が出るので日中の痛みが消える傾向にあります。
ただしスポーツをすることで足への負担が増加するので夜になると痛みが出るという症状です。
骨が引っ張られたり剥離することをシーバー病と言います。
踵の成長痛に関する詳細はこちらを参考にしてください↓↓↓
小学生高学年で起こるオスグッド

小学生での早い子は3-4年生から膝の成長痛を訴えます。
5-6年生に多い膝のオスグッドですが、膝下の骨を脛骨(けいこつ)と言いますが、引っ張られて骨が隆起してきます。
小学生でも5年生になると運動量がかなり増加してくるので運動に対する疲労も増加し、さらに大腿骨の成長が著しい時期にもなります。
オスグッドの要因として
・大腿骨の成長が著しい
・運動量が増加する
・筋肉の柔軟性の低下しやすい
・セルフケアの習慣がないので悪化しやすい
このようなことから痛みが強くなっていきます。
いかに成長痛を理解してセルフケアを実施し継続していくかがスポーツを行っていく為に必要なこととなります。
オスグッドの詳細はこちらを参考に↓↓↓
足の使い方が影響しやすい外脛骨障害

あまり聞きなれない外脛骨障害(がいけいこつしょうがい)ですが内くるぶしの下やや前方に骨が隆起してしまうことが外脛骨障害となります。
外脛骨障害は後遺症としても残りやすい症状です。
靴を履くだけでも痛みが出たり、テーピングで圧迫をすると痛みが出るなど問題が大人になっても影響してしまうことがあります。
足の使い方による動作習慣によっても影響しやすいので競技特性による影響もします。
セルフケアだけでなく専門家に動きをチェックしてもらいことも必要になるケースがあります。
外脛骨障害の詳細はこちらを参考に↓↓↓
膝蓋骨の変形にもなる有痛性分裂膝蓋骨

膝にあるお皿は膝蓋骨(しつがいこつ)と言いますが、膝蓋骨が分裂しているケースがあります。
生まれつきのものもあり、運動による負担が影響することもあります。
大腿四頭筋(だいたいしとうきん)という前面部にある筋肉の中でも外側にある外側広筋(がいそくこうきん)が強く働くことで膝蓋骨の上外1/3の部分で分裂してしまうケースが最も多い症状です。
痛みが出るものと出ないものがありますが、痛みが出るタイプを有痛性分裂膝蓋骨(ゆうつうせいぶんれつしつがいこつ)と言います。
有痛性分裂膝蓋骨の詳細はこちらを参考に↓↓↓
中学生で起こりやすい腰椎分離症

中学生になると腰椎分離症(ようついぶんりしょう)を発症してしまうケースが多くあります。
腰椎分離症は腰の疲労骨折という位置付けで成長痛とは少し違ったケースではありますが、同じ部分への負担が著しく骨が分離してしまう症状です。
腰椎分離症は成長期の大腿骨の急速な成長によって筋肉の柔軟性が低下し、骨盤の動きがロックされてしまい腰の一箇所でそりかえる動作や捻る動作が負担がかかることで発症してしまいます。
さらに両側分離してしまうとすべり症となってしまい、脊柱管狭窄症にもなりやすい状態となってしまい長期運動中止となってしまうケースもあります。
運動盛りの中学生で6ヶ月間程度コルセット装着で運動禁止では中学生のメンタルが対応できなく競技レベルの低下につながります。
いかに防ぐかということがとても重要なことであり、専門家の指導の必要となります。
腰椎分離症の詳細はこちらを参考に↓↓↓
動きづくりや動作改善は専門家必須
成長期に悪い動作習慣がついてしまうとその後のパフォーマンスにも影響していきます。
足のアライメントが悪いと怪我の発生率も異なってしまいます。
特に小学生では成長盛りで、スポーツを始めてまもないわけです。
シューズも保護者からするとすぐに大きくなるから大きめのサイズを履かせてしまいがちですが、そのシューズによっても足への負担が影響して変形して成長し、悪い動作習慣の基となってしまうことも多く見てきました。
競技特性もあり、個人差もあるので、とても難しい点ですが、子供の成長で怪我による挫折を防ぎたいという願いは強いと思います。
小学生や中学生の時から専門家に指導してもらうことは大きな財産となり、良き投資ともなります。
選手、保護者、コーチ、専門家とひとつのチームとしてサポートできるような環境を構築できればとても良い環境の中でサポートできるかと思います。
まとめ
バスケ選手に発生する成長痛に対する理解度アップというタイトルで解説してきました。
私の専門がバスケットボールなのでバスケットボールにて紹介しています。
他競技でも同様な感覚で読み進めていただければ、十分理解できるかと思っています。
成長痛は選手では知識や経験不足なので対応しきれません。
保護者のサポートと専門家のアドバイスや指導、治療がプラスされると競技を続けながら対応できますので今回の記事を参考にしていただければと思います。
各症状の詳細を確認して頂き、あなたの必要な症状を読み進めていただければと思います。
この記事が参考になれば幸いです。