中学生世代に起こる腰椎分離症の原因と動作習慣

中学生世代の成長期に腰痛になる方がとても多く、腰椎分離症と診断される選手が私の関わるバスケットボールでも多いものです。

競技によっても動作の特徴がありますが、根本的な原因となっているのが成長期の影響によるものと背中から骨盤の動きが不十分で特定の部分に負担がかかり過ぎて起こる疲労骨折です。

私は現在プロバスケチームのアスレティックトレーナーとして活動して20年以上となるベテランの立場で日々プロ選手の治療にあたっています。
アンダーカテゴリーのU15にも関わって腰椎分離症の選手を改善してきています。

今回の記事で少しでも腰椎分離症で悩んでいる方の参考になれば嬉しい限りです。

【結論】
腰椎分離症関して
・成長期では大腿部の骨の成長が盛んで筋肉が十分に伸びてこない時期
・個人差もあるが腰椎-骨盤リズムの動きが不十分で一箇所に負担がかかり過ぎてしまう
・成長期なので骨自体がまだ不安定で疲労骨折となりやすい
・肩の動きや背中の動きが悪いことで腰への過度な負担がかかってしまう
・運動を中止しても動作習慣を改善しなければ再発する

腰椎分離症はプロ選手でも多くの選手が発症している経験があります。
腰痛や腰の疲労感は出やすくなる後遺症はあるものの、プロ選手でも十分対応できているので、中学生の時点で動作改善と強化を行いましょう。
痛みが強い時や症状の経過時期によっては運動を中止しなければならない時もありますがその期間にリハビリを行って良い状態にできることを実施していくと再発を防げます。

それでは解説していきます。

※腰椎分離症は多くの情報があるため何回かに分けて記事投稿していきます。
 今回が1回目となります。

腰椎分離症とは

腰椎分離症のメカニズム

背骨には首を頚椎(けいつい)が7個、背中を胸椎(きょうつい)が12個、腰を腰椎(ようつい)が5個、その下に仙骨、尾骨で構成され脊柱(せきちゅう)と言われています。

腰の腰椎にも後方には突起があり椎弓(ついきゅう)というリング上の骨が部分が繰り返し曲げたり反ったりを繰り返すことで疲労骨折が起こってしまうわけです。

椎弓も左右にあり片側の疲労骨折を腰椎分離症といいます。

この疲労骨折が両側起こると椎体がずれてしまう事に発展して腰椎すべり症と言われています。

症状として

腰椎分離症は腰の痛みが強く出て運動ができないくらいの痛みを伴います。
骨折するわけですから一時的に激痛を伴うこともあり、そのまで痛みを伴わないケースもあるので痛みは個人差もあります。

腰椎分離症は何度も繰り返した負担から起こる慢性疾患の疲労骨折でありますが、骨が分離してしまい偽関節となってしまいます。
一度骨が離れてしまうと痛み自体は消失して安定していきます。

離れかけている状態であれば運動中止して骨が再合成することもあるので時期によっては長期運動中止することで治るケースもあります。

ただし私の経験では中学生は動きたい盛んな時期なのでじっとしていられず運動してしまうケースが多く結局分離症の状態で過ぎていくことが圧倒的に多いのかと思っています。

時期がすぎて安定すれば対応の仕方は腰痛と同じ対応なので、プロ選手でも腰椎分離症で一時期の痛みの期間があったけど運動を実施して改善しているケースは多いものです。

症状としては腰痛ですが特に腰を逸らした状態から横に回旋した際に痛みが再現されます。

検査方法として

競技での動作や痛み出した経過も参考にしてカウンセリングしていき腰痛の中での痛みを特定していきます。

腰を反らせた状態から左右に回旋させ痛みが強く出る側に腰椎分離症を疑います。

疑わしい際は整形外科にて画像検査で診断確定します。

ただし疲労骨折の場合ではレントゲンではよく写らないケースやレントゲンで確認できるようになるまでに2-3週間のタイムラグもあるのでCTまたはMRIでも確認するとはっきりと確認できて確定診断となります。

なぜ腰椎分離症が起こるのか

腰椎分離症は中学生の年代が多く、その影響は成長期によるものがあります。
身長が伸びる際に最も成長するのが大腿骨でももの骨の長さが著しく伸びて成長していきます。

運動しているため筋肉は疲労すると硬く縮まる性質があるため、小学生4-6年生くらいでオスグッドになりやすいのも納得していただけるかと思います。

大腿骨の前側には大腿四頭筋(だいたいしとうきん)があり股関節にも関わっています。
大腿骨の後ろ側にはハムストリングスと言って大腿二頭筋や半腱様筋、半膜様筋という筋肉がありやはり骨盤についているので股関節にも関わっています。

要するに前後内外と股関節に関与して骨盤の動きに影響しています。
運動で筋肉が硬く縮んでしまうこと、骨の成長が盛んなことから骨盤の動きがロックされやすい状態となってしまいます。

さらに腰椎と骨盤の動き自体が習得できていない年代でもあります。
胸椎と腰椎の部分の動きも悪くなってしまい、腰の全体的な動きがスムーズに行えず、一箇所に集中して動かすことで大きな負担がかかってしまい疲労骨折となり腰椎分離症と診断されるわけです。

動作習慣による影響

・競技によっても特徴的な動作によって同じ部分に負担がかかってしまうこと
・運動後にストレッチにて筋肉の柔軟性を戻すことを行わない
・特定の部分に負担がかかっても大丈夫な強化を行なっていない
・悪い動作で繰り返し行なっている点

上記のような原因があるから腰椎分離症を発症してしまうわけです。

いくら休んで負担を軽減して回復させたとしても、再び運動を再開すると
・強化をしていない
・柔軟性が悪い
・悪い動作習慣のまま

では再び痛みが発生してしまうわけです。

腰椎分離症を良い状態に改善するには上記のような
・動作習慣の改善
・柔軟性の向上
・筋力強化
・筋バランスを整える

このようなことに取り組む必要があります。

長期的な競技離脱にも

整形外科に受診すると腰椎分離症と診断されると運動の長期禁止とコルセット着用を指示されることが多いです。

初期症状であれば骨が再癒合する可能性はあるので同感できますが、果たして休むだけとコルセット着用で改善するでしょうか。

私は柔軟性を獲得して筋バランスを整えて負担を軽減させます。
次に筋力強化を行なって競技に対応できる筋力をつけていきます。
そして競技で問題となっている動作習慣を改善して負担を分散させて改善へと向かわせていきます。
その後段階的にチームの練習に参加させ悪化しないよう確認をしながら徐々に合流させていきます。
最終的に運動制限なしで対応できるようトレーニングとセルフケアと治療を合わせて確実に競技復帰させていきます。

長期の運動禁止では筋力がどんどん低下してしまい腰の痛みが軽減しても今度は競技パフォーマンスとして戦力にならない状態となってしまいます。

コルセットを着用すると腰椎-骨盤リズムが機能しなく動作習得の改善には至らないのです。
動かさなくて骨の癒合の可能性が高いのであれば理解できますが、時期的に再癒合の可能性が低いのであればコルセットによって筋力低下と動作改善ができないと考えます。

腰椎分離症の場合、時期によって対応の仕方が異なってくるので判断が難しいのですが、私は基本的に運動療法にてアプローチしていきます。

まとめ

今回は腰椎分離症のメカニズムを解説していきました。

【まとめ】
腰椎分離症関して
・成長期では大腿部の骨の成長が盛んで筋肉が十分に伸びてこない時期
・個人差もあるが腰椎-骨盤リズムの動きが不十分で一箇所に負担がかかり過ぎてしまう
・成長期なので骨自体がまだ不安定で疲労骨折となりやすい
・肩の動きや背中の動きが悪いことで腰への過度な負担がかかってしまう
・運動を中止しても動作習慣を改善しなければ再発する

腰椎分離症は情報が多いので何回かに分けて記事を投稿していきますので別記事も参考にしてください。

今回の記事が参考になれば幸いです。

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