スポーツ選手は怪我がつきものです。
しかし、怪我にも大きく分けると防げない怪我と防げる怪我に分類できます。
・防げない怪我
・防げる怪我
防げる怪我は怪我をする原因があり、その対策をすることで防ぐ事が可能となります。
防げない怪我は交通事故のようなアクシデントと同じ状況となってしまい、対応できない点であります。
問題となるのは防げることに対して対策を立てずに起こるべくして起こってしまう事と防げない怪我が起こってしまった際に軽傷で防げるかです。
怪我に対するアプローチとして
・防げる怪我の原因となる点を修正してリスクを減らしていく事
・アクシデントに対して起こってしまっても軽傷になるよう対策しておく事
このような考えの元、長年プロ選手に対して対応してきました。
その結果としてバスケットボールで多い怪我として前十字靭帯損傷がありますが、25年間の活動でプロ選手はゼロで防ぐ事ができました。
これまで高校生、大学生、社会人、プロチーム、日本代表と長年バスケットボールという競技に関わってきましたが、予防する事ができました。
それ以外でも、アキレス腱断裂もゼロ、肩関節亜脱臼は1名、半月板損傷1名と25年のキャリアの中では選手に貢献できたと思っています。
【結論】
・怪我には防げるけがと防げない怪我がある
・防げる怪我をどうアプローチして予防に繋げていくか
・防げない怪我でもいかに軽症に済ませるか
・そのためには取り組みが必要で問題の把握をして解決策を実行していく事
・怪我をしてしまったら復帰するためのやるべきことを明確にして変えられるものに力を注ぐ
いかに予防に対する取り組みを行っていく事が怪我を防ぐ事ができ、選手を引退に追い込まずに済むかという点はトレーナーとしても重要なポイントとなります。
目次
怪我で引退を決断させないをモットーに

私自身、高校2年生の冬にジャンプの着地にて腰椎椎間板ヘルニアとなってしまいました。
それまで腰椎になった事がなかったので、どう対応していいのかもわからない状況であり、咳やくしゃみで激痛が走り、右足に痺れが出て寝返りもできず痛みが強く立っておしっこをする事ができないほど同じ姿勢でじっとしていられない状況でした。
県選抜にも選ばれていたのにプレイしたくても全くできない状況となり、医学の道へ進む決断をしました。
自分のような怪我で離脱して諦めないようなサポートをしていきたいと思い、自分のテーマが「怪我で引退を決断させない」となっています。
プロチームでは達成することができた
お陰様でプロチームに長年関わってきましたが選手が怪我で引退を決断するということは守られたと思っています。
自分が関わってきたプロ選手は怪我で引退を決断したという選手はいないことは幸いであり、嬉しい限りです。
プロチームはチームによっても環境は異なるものの、選手に対してスタッフはスペシャリストの集まりなので対応できる環境であり、良い状態を維持しやすい点、怪我をしても毎日リハビリや治療、強化を対応できる点はかなり優遇されています。
もちろんトップレベルのパフォーマンスを維持向上できなければ戦力外となり、去ってしまうこともありますが、恵まれた環境で活動できている点は大きなことだと思います。
学生はそうではなく、経験値やスタッフ構成、環境も不十分が多く悩ましい現実を私自身プロチームのU15(中学生)やU18(高校生)のサポートをして実感しています。
悩んでいるのはむしろ学生の方が多い
学生の場合チームにトレーナーが常駐している方が少ない現実があります。
プロバスケの傘下でのユースチームではトレーナーが必須となっていますが、学校の組織ではトレーナーが常駐している事の方が珍しく、選手は対応して欲しくても不十分な現実があります。
そのため怪我を防ぐ予防対策はレベルが低く、怪我をしてもどうしていいのかわからないという状況が多いものです。
そのため精神的にも不安や挫折にもつながりやすいのが学生で特に中学生や高校生では成長期による変化や競技特性による怪我の種類、個人的な動作習慣によるものなど改善すべき点があるにも関わらず何をしたらいいのかわからず、なんとなくトレーニングしていることで余計怪我を発生しやすくなってしまうこともあります。
いかに学生の怪我に対してサポートしていき、長期離脱となる大怪我を防ぐかは若いトレーナーでは経験値不足であり、ベテランのトレーナーの力が必要だと痛感しています。
バスケ以外のスポーツ選手にも対応したい
私は長年バスケットボールに関わってきました。
アスレティックトレーナーとしてストレングスコーチとしてコーチとしても経験があります。
そのためバスケットボールに関してはさまざまな視点から総合的に判断して解決策を提示できることでバスケの専門家としてトップレベルの対応が可能だと思っています。
怪我だけでなく、競技力の向上にも協力できます。
今回治療院を開業することでバスケのようなスペシャルではありませんが他競技にも対応してサポートしてあげられたらという思いは強くあります。
バスケットボールは野球やサッカーのようにプロ化が現実となりユースチームの環境も整備されていく予感はあります。
しかし、競技によってはまだまだ発展途上で厳しい現実がある競技も多いかと思っています。
そのような悩みを抱えている選手のお手伝いをできれば自分自身の存在意義があるのかと思っています。
長期離脱がメンタルにも影響する

怪我をしてしまうとやはり本人にとっては大きな挫折となることもあります。
実際に私がそうでした。
腰椎椎間板ヘルニアとなり診察を受けた医師から「あなたは一生運動ができません」と言われバスケしか無いような者が失ってしまった事は大きな挫折を経験しました。
本人だけでなく、家族にとっても辛い時間となってしまいます。
いかに怪我をして長期離脱してしまっても精神が崩壊しないように対応していくかは周りの取り巻く環境によっても異なってきます。
怪我をするには原因がある
怪我をしやすいタイプの人間がいるかと思います。
あの選手はよく怪我をするなぁという話はよく聞くことです。
怪我をしやすいタイプはそれなりの原因があります。
・基礎体力が不十分
・練習のやりすぎ
・セルフケアの不足
・食事の偏り
・動作習慣のクセ
・関節のアライメント不良
・リハビリの不十分
このような事が影響します。
何が問題となり、問題の原因は何か、原因に対する解決策は何か
ここをしっかりと実施していく事で怪我のリスクは減らすことが可能になります。
根本となっている原因を突き止めて何をアプローチしていくのかを見出すには専門家の評価が必要となります。
怪我をしてメディカルに対してアプローチしても過去は変えられないので、怪我をする前にアプローチしていくことがとても大切なんです。
専門家に確認してもらい、やるべきことを明確にして、選手自身が取り組んで、定期的にチェックしてもらうことです。
怪我の予防だけでなく、競技力向上へとつながっていくのです。
悩んでいても解決しません。
だから一度選手の状況を確認させて欲しいです。
確認できれば、
・問題点の把握
・修正すべき点
・強化ポイント
・必要なトレーニング要素
・競技に活かしたアプローチ
・セルフケア方法
このようにやるべきことが明確になり、効率よく選手のモチベーションだけでなく、体の状態も良い状態を維持向上でき、同年代と差をつける特効薬として飛躍的に伸ばすことも可能となります。
どうすれば怪我を防げるのか
怪我の根本は疲労です。
疲労が原因で、その蓄積から怪我につながっていきます。
筋肉は使うと硬く縮む性質があり、特に動作習慣によってバランスも悪くなっていきます。
その結果関節に捻れが生じてしまい、ゆとりがなくなってしまいます。
ゆとりがなくなることで、普段の動きができなくなり、損傷しやすくなります。
このようにして怪我へ発展していきます。
このように関節にゆとりがなくなってしまうとアクシデントで本来なら問題なく済む者が損傷へとつながってしまいます。
怪我を防ぐには疲労を改善していき、筋肉の状態などをよくしておくこと、動作習慣に問題があれば改善していく事がポイントとなります。
大きな怪我をしてしまうのはアクシデント+疲労の蓄積によるものです。
日頃のセルフケアにて改善できない状態となれば治療をしてもらい回復させることが必要となります。
手術はむしろ早期復帰へ
怪我をしてしまった場合手術しなければならないケースもあります。
・手術しなければ治らない怪我
・手術した方が確実に早期復帰できる怪我
・時期を見て手術した方が今後の影響に良いもの
・リスクはあるものの手術しなくてもとりあえず対応できる怪我
このような状況になります。
手術をするのはマイナスということは一切ないです。
むしろ手術をした方が良いケースや必須ケースもあります。
例えば手術必須のものとして
・前十字靭帯損傷
・アキレス腱断裂
・ジョーンズ骨折
・半月板損傷によるロッキング
上記のような怪我はバスケットボールの場合必須となります。
理由としては再受傷のリスクだけでなく、確実に早期復帰できるためです。
日常の生活と競技をするのでは負担が全く異なります。
リスクを回避して後遺症や変形を抑えるためにも必要な事です。
長期離脱の怪我は家族にも影響する
長期離脱してメンタル崩壊した経験がある私は、当時はネットなどない時代なので本をひたすら読んでいきました。
良いという方の元に行きたいとわがままを言って新幹線に乗って阪神タイガースでトレーナーをしていた方の病院へ受診したりと遠方まで可能性を求めていきましたし、スポーツ医学の権威ある東大の医師にも診察してもらいました。
家族にも迷惑をかけて多くの出費もさせてしまいました。
家計の負担も大きかったと思います。
それだけ諦められなかったのです。治療も1回8,000円近くの治療を毎週させてもらいました。
それでも解決には至らない時代であり、私よりもひどい腰の選手を未だかつて見ていないほどです。
多くの苦労をかけてしまったと思っています。
そのため、高校卒業後は医学の道に進みましたが、返金しなくても良い新聞奨学生として働きながら学校に通い全額自分で対応しましたが、新聞配達の仕事は配達だけでなく、集金と勧誘とかなりハードワークで精神も強化されました。
辞めれば全額返金しなければならないため後戻りできなく必死で3年間やり切りましたが最も辛い仕事であったと思っています。
大怪我をしたらどう向き合うのか

怪我をしたら落ち込んで悲しんで防ぎ込んでしまう事もあるでしょう。
しかし、いつまでもそうしていても何も変わらない訳です。
変えられるものと変えられないものがあり、何に自分の時間とエネルギーを使うかでその先が大きく変化していきます。
| 変えられるもの | 変えられないもの |
| 未来 | 過去 |
| 自分 | 他人 |
| 取り組み/行動 | 環境/試合の日程 |
| 活用の仕方/工夫 | 気候/天候 |
変えられないものにエネルギーを使っても大きな変化がなく、変えられるものにエネルギーをかける事が次につながっていきます。
怪我をしたことをいつまでも後悔していてもどうしょうもないことです。
何をすれば変化していけるかを考えて行動することが未来を変えていく事ができます。
他人や環境は変えることはとても難しく、試合の日程や天気や天候は変える事ができません。
自分が怪我をしているから試合を延期してほしいと思っても実現できない訳です。
どうすれば対応できるのかを考え、思考と行動と取り組む姿勢を変えていくことで大きな変化となります。
変えられないことにエネルギーをかけるよりも変えられるものに対してエネルギーを使ったほうが結果につながりやすく、その努力が経験値として自分にプラスとして働く時が来る可能性が高まります。
行動してもうまくいく時もあればうまくいかない時もあります。
しかしその努力した事は無駄ではなく、自分の成長につながります。
どんなに努力してもスポーツの世界は対戦相手がいてやってみなければ勝敗はわからないものです。
勝つ事もあれば負けてしまう事もあります。
後悔しない選択肢をしてほしいものです。
後悔は一生残ります。
怪我をしたことで得られること
怪我をしてしまうとダメージとして後遺症として残ってしまうこともあります。
しかし全てがマイナスではなく、怪我から得られる事も大きな財産となります。
私の場合は怪我をして選手としての目は無くなってしまいましたが医学の道に進むきっかけとなり、やり甲斐と生き甲斐となる人生を手に入れる事ができました。怪我をするまではただバスケットボールに打ち込んでいて将来何をやりたいということすらなかった訳です。
怪我をして挫折したことも今となっては早くに挫折してメンタルの強化ができたこと、医学知識を得れたこと、苦労したことで社会経験できた事も含めて大きな財産となっています。
当たり前と思っていた仲間や家族の存在やサポートしてもらっていた事など感謝する事も学べ人間力が増したと思っています。
そういった事で競技と向かい合い別の視点でバスケットボールと向き合う事ができたのでプロの世界でも活動できたのだと思っています。
怪我をしたからこそ武器になる
選手としては高校時にインターハイ予選にも出場できず、悔しい想いが今でも残っていますが、なんとかウインターカップ予選には出場でき3点差で決定戦で敗れて現役を引退する形となりましたが、出場できた事が喜びであり、敗れてしまった悔しさと、高校でのバスケ生活も終わってしまった絶望感がありさまざまな感情が巡っていました。
医学知識と科学的なことを理解して取り組んだことで効率的に練習する事ができ、努力が身になった経験は大きな財産となりました。
その後社会人のクラブチームレベルではありますが全国大会にも何度も出場でき怪我から得たものは大きかったです。
怪我をしたらそのことをプラスに競技力に活かす事ができ、専門家とも巡り合う事ができ、違った視点の今まで想像もしていなかったアプローチなどを経験する事ができます。
怪我から得たことを競技とリンクさせることでより個性を出すことができるので怪我をしたからこその武器を作って自分の強みとしてほしいものです。
より競技に情熱を注げる機会に
怪我をする前は試合に出るのが当たり前で気づくことさえなかった視点が、怪我をしたことで今までと違った視点で競技を全体で見る事ができるようになってより感謝する機会を得る事ができた状況で競技と向き合うことができるようになります。
当たり前と思っていたことは当たり前ではなく、周りのサポートがあったからこそ成立している事も理解できるようになります。
そんな中で競技できること、サポートしてもらえていること、こういった変化はより競技に対して情熱を持って接する事ができ、道具ひとつ大切にでき、挨拶など人として大きな成長をする機会となります。
そういったマインドで活動すると飛躍的に向上する事ができる可能性が高まっていくものです。
他人を尊重して、自分を追い込んで競技に打ち込む事で心技体が整っていく訳です。
怪我をした事でマイナス面もありますが、よりプラスとなる様に捉えられる様になるかは変えられるものにエネルギーを注ぎ努力を継続できるかだと私は考えます。
栃木県宇都宮市で2025年7月24日開業スタート

今まではプロチームでプロ選手に多くの時間を使ってきました。
でも本当に学生の方や一般の方のほうが悩みが多い事や専門家と接する機会は極端に少ない事があります。
今後は今までの経験をあなたにもサポートできる環境を作って還元できればと思っています。
2025年7月24日(木)に宇都宮市でミズノ治療院スポーツマッサージを開院しました。
少しでも怪我で悩んでいる方の力になれればと思っています。
まとめ
私自身のモットーとして怪我で選手が引退を決断させないということを考えてこれまで対応してきました。
【まとめ】
・怪我には防げるけがと防げない怪我がある
・防げる怪我をどうアプローチして予防に繋げていくか
・防げない怪我でもいかに軽症に済ませるか
・そのためには取り組みが必要で問題の把握をして解決策を実行していく事
・怪我をしてしまったら復帰するためのやるべきことを明確にして変えられるものに力を注ぐ
筋肉と関節とバスケの専門家 ミズノ治療院スポーツマッサージ
関わる選手の状態を良くして活動のサポートができればと思っています。



