『病は気から、痛みは疲労から』であると考えています。
病気にしても痛みにしても日頃の蓄積によって悪化していきます。
いかに溜め込まないように解消していくかがポイントなのですが、忙しくて溜め込んでしまうものです。
自己管理できる方なら問題ないのですが、体が資本ではあるものの仕事や家庭の事で後回しにしなければならない現実があるわけです。
疲労してくると筋肉だけでなく、精神的な事もイライラしやすくなっていきます。
今回は疲労に関して詳しく見ていき、どのような対処方法があるかを紹介していきます。
【結論】
・疲労が蓄積することで怪我につながってしまいます。
・良い状態にすることであなたのパフォーマンスは向上します。
・疲労の蓄積から筋バランスが悪化して関節の捻れが生じて摩擦力が増加して痛みとなる。
・筋肉を包む筋膜が癒着すると動きが悪くなり痛みとなり、マッサージで軽減できる
【音声配信】一般の方の筋肉はとにかく硬い人が多い
目次
2025年7月24日(木)に宇都宮市でミズノ治療院をオープンしました

6月まではプロバスケチームでアスレティックトレーナーとして約25年間活動してきました。
プロ選手は繊細でちょっとした体の変化に対応して、毎日ベストな状態で競技に臨む必要があります。
特に疲労が蓄積することで筋肉の張り感が起こり、筋肉のバランスが崩れて関節に捻れが生じていきます。
すると怪我のきっかけとなったり、アクシデントの際にも重症化してしまうわけです。
このあたりを見極めて対応するのがプロチームでの役割となっていきます。
長年関わってきたプロ選手のサポートはごく一部特別な選手にしか対応できない環境でした。
今回、宇都宮市に治療院としてどなたでも対応できるようにしていきたいという想いでスタートしようと思っています。
疲労の要因も様々ある

人の体には肉体的な疲労だけでなく、精神的な疲労もあります。さらに自分ではコントロールできない神経系の働きもあり環境によって影響もします。
脳が疲労して頭の回転が機能せず、集中力が欠けてしまったり、さまざまな症状となって表面化していきます。
これらは少しづつの疲労やイベントや大会などで日頃よりもハードワークをしたことがきっかけとなって普段では回復できる事もダメージとなって蓄積されて徐々に負担が増加してしまいます。
このような時に肉体的ではぎっくり腰になったり、精神的にもダメージを受けやすい状態となり気がつけば痛みが出たり、落ち込んでしまったり、寝込んでしまったりとウイルスにも感染しやすくなっている免疫力が低下している状態です。
朝起きてスッキリ目覚める一日のスタートと起きた時から辛い状況でのスタートでは大きな差となってしまいます。
自分自身のパフォーマンスを良い状態にするためには疲労と上手に付き合っていく必要があります。
まずは疲労を理解していきましょう。
身体的な要因
肉体疲労としてもさまざまな要因があります。
代表的な例としては以下のようなケースです。
・運動不足
・過度の運動
・仕事のハードワーク
・睡眠不足
日頃よりも体を酷使することで起こるのが肉体疲労で、その内容によって回復にかかる時間も異なってきます。
ダメージが残った状態でまた同様に体を酷使していくと疲労が蓄積されていきリカバリーが追いつかなく、体調不良や痛みや怪我へと影響してしまいます。
いかに良い状態にもっていけるかで、寝れば回復するレベル、セルフケアで十分対応可能なレベル、治療やリラクゼーションなど人のサポートが必要なレベルとなっていきます。
さらに疲労が蓄積すればするほど良い状態に戻すには時間や期間がかかってしまうので早期対応することで体の状態を良いレベルで活動できるわけです。
心理的な要因
精神的な疲労要素もあります。
メンタル的な疲労は肉体的よりも影響してしまい活力も奪われてしまいます。
・ストレス
・不安
・落ち込み
・脳疲労
職場やスポーツでも人間関係によってさまざまな問題はつきものです。
人の感情は都度変化しますし、良い事だけでなく悪いことが続いてしまったり、アクシデントも発生します。
ストレスを解消してリフレッシュできるようにするにはオンとオフの切り替え、趣味なども一つです。
タイプによっても異なりますが人に相談したり気分転換できる環境をご自身で見つけ出して実践することです。
深い闇に陥る前にどのように対処していくかという点がポイントとなります。
環境的な要因
世の中には変えられるものと変えられないものがあります。
環境要因は変えられないものが多く、それが原因で負担がかかって疲労していくこともあります。
・騒音
・温度
・湿度
工事や爆音での騒音はとても不快なものです。
私も家の近くに警察署と消防署があり夜中でも毎日のようにサイレン音が鳴り響く環境で生活しています。
自分が引っ越す以外仕方がないことですが、不快に感じてしまう時間帯もあるわけです。
天候や気温はどうすることもできない環境要因です。
暑さや湿度によって体へのダメージは大きく疲労として蓄積していきます。
自分自身で変えられるものと変えられないものを識別して、対応できることに力を入れることです。
変えられない事にエネルギーを浪費してしまえば、より疲労が増加してしまうものです。
疲労を蓄積させない事が課題

肉体的にも精神的にも疲労を蓄積させないことがとても重要となります。
特に頑張り屋さんや真面目な方ほど一気にエネルギーを集中して爆発する事ができるのでその時は良いのですが、ひと段落した際の疲労感が大きくなってしまいます。
疲れを溜めないことが第一
デスクワークの方は作業に集中すると同じ体勢で何時間も実行できる反面、体が固まってしまい凝りとなってしまいます。
このように自分の安全ちたいから警戒域へ進んでしまい、痛みや違和感などが生じていきます。
さらに危険領域に踏み込んでしまうと不調となり業務に影響が出てしまいます。
ちょっとしたきっかけでギックリ腰になってしまったり、頭痛や吐き気など神経系にも影響してしまいます。
まずは自分の信号機としての安全域/警戒域/危険域の3つのラインを知って疲れを溜めすぎないようにする事です。
その際にストレッチをする、休憩をする、体を動かす、ほぐすなどで簡単にどこでも対応できるようにしましょう。
デスクワークなどの作業の場合、タイマー設定しておくと一つの目安となっていきます。
一つの区切りを作ってほぐす時間を短時間でも設けるだけでもダメージは異なってきます。
期間が長いほど時間もかかる

筋肉は疲労することで硬く縮まってしまい、老廃物が溜まってきてコリや張り感へとなっていきます。
良い状態→重くなる→張り感→違和感→ツッパリ感→怖さ→動きの制限→機能不全→痛み→怪我
細かく状態の変化を見るとこのように変化していきます。
筋肉も動作習慣による癖が誰しもあって、部分的に使用頻度が高くなることで筋肉のバランスが悪化してしまいます。
筋バランスが悪くなるとひっぱり強い方へ誘導されて関節に捻れが生じて、部分的な負担が大きくなってしまいます。
関節にもゆとりがあり自動車のハンドルのように遊び部分があって許容範囲がありますが、悪い状態の期間が長くなることでゆとりが無くなり許容範囲を超えてしまい痛みや怪我に発展してしまいます。
上記の要因から悪い期間が長くなっていればその分改善にも時間がかかってしまいます。
動作習慣はそう簡単には改善されるものではなく、改善しても元の状態に戻ってしまう反応があるので治療やトレーニングでバランスを整えて元に戻ってしまう前にアプローチをしていく事でだんだんと改善されていくわけです。
疲労が過労となり筋肉の癒着を起こす
疲労は蓄積されていくと状態が悪くなってしまいます。
筋肉と筋肉を包んでいる筋膜がくっついてしまうことが起こり、癒着してしまいます。
違和感や痛み、引っ掛かり、動きが悪くなる要因として癒着してしまうことも要因の一つです。
癒着を取り除くには…
1.筋膜リリースというセルフで行う方法
2.治療にて癒着部分を剥がす手技でのアプローチ
3.物理療法の機器を活用して動きを作っていく方法
4.整形外科にて生理食塩水の注射をして癒着を剥がす方法
このような方法があります。
段階的に1から進めていき、実施後の変化を見てアプローチを試していくといいです。
筋肉と筋膜が癒着してしまうと違和感や痛み、引っ掛かり、動きの制限が起こってしまうので改善していくことで感覚の違いがはっきりと出ます。
自分自身で実施して変化なければ専門家に治療をしてもらうといいかと思います。
それでも変化がない場合ですと癒着の範囲が大きかったり強く癒着していることが影響しているので生理食塩水のハイドロリリースを試してみると良いかと思います。
全身のマッサージで整う

筋肉の状態を長年確認して治療してきましたが、悪い部位には筋肉のしこりが残っていることが多いです。
大きく触ってわかるものから専門家でないとわからないちょっとした変化もあります。
筋肉を触っていくとその変化を察知して、アプローチすることで筋肉のスムーズさが改善して動きが本来に戻っていきます。
マッサージといってもスポーツマッサージはそのような筋肉の小さなサインを見逃さずにアプローチしていくテクニックですので、一般的なリラクゼーションなどで行っているマッサージとは一味も二味も違ってきます。
筋肉は筋膜などで繋がっている
筋肉は筋膜に包まれて全身的につながっているわけです。
その上に脂肪がのって、皮膚がついています。
筋肉は部分的に緩めても、筋膜でつながっている為、また硬くなりやすい状態なので全体的なアプローチによってより良い状態に変化します。
全身によって相乗効果
全体的にマッサージしてゆとりを出す事で体の動きも良くなっていきます。
さらにバランスを整えていく事もポイントとなります。
体には簡単に説明すると前後と左右があり、筋肉にも対になっている筋肉と協力しあって動く筋肉があります。
負担のかかりやすい部分は硬くなりやすく、張り感も強くなっていきます。
部分的だと戻りやすい
部分的に筋肉を緩めても筋膜の張り感が残っていれば再び戻りやすくなってしまいます。
全体的にアプローチして筋肉を緩めてから、ポイントの悪い部分に対してアプローチしていくとより良い状態に変化します。
マッサージにも通常のマッサージとより筋肉の走行をスムーズにするためのテクニックもあり、状態によって手技が異なってきます。
筋肉はマッサージで改善できるものと、オイルマッサージで流していく事、さらにストレッチや関節の動きを作ることでより良い状態に変化させられます。
その時の症状に合わせて活用する手技も変化してより良い状態に導くことができます。
ケガの大元は疲労から

今までプロバスケチームでアスレティックトレーナーとして約25年活動してきました。
バスケットボールでは膝の前十字靭帯損傷がとても多い怪我です。
プロ選手で25年間で1人も損傷させることなく済んでいます。
アキレス腱の断裂もプロ選手では毎年のように発生していますが、こちらも1名も受傷させずに済んでいます。
膝の半月板損傷もとても多い怪我ですが、プロ選手では残念ながら1名手術をさせてしまいました。
マッサージだけでなく治療や予防スキルなどさまざまな要素がうまく機能した事で大きな怪我を防ぐことができました。
これは疲労に対して最も重点をおき、プロ選手の体へのアプローチとコンディショニング調整の成果だと思っています。
怪我の原因は疲労から
私の今までのプロバスケ選手に関わってきた経験から怪我の原因は疲労要素がとても大きいと思っています。
もちろんアクシデントによって防ぐことができないケガもあります。
しかしその時でも疲労の蓄積をコントロールできていれば重症でなく軽症で済ますことができてきました。
そのためプロ選手での大きな怪我を防ぐことができてきたのだと思っています。
疲労が出るとリカバリーしきれなくなり、疲労が蓄積していきます。
疲労の蓄積によって筋肉の状態が悪化して筋肉のバランスが偏ってしまいます。
筋肉のバランスが悪くなると関節に捻れが生じて摩擦力が増加して負担が大きくなってしまいます。
その状態で痛みや違和感が増加していき、許容範囲を超えるとケガとして発症してしまいます。
アクシデントでも悪い状態で発生すれば重症化してしまい、状態が良い状態であれば軽症で済むわけです。
いかに疲労を取り除いて、良い状態で競技に臨むか、または仕事に励むのかでパフォーマンスが異なってきます。
怪我
ケガにも起こるべくして起こってしまう怪我があってどう防ぐのかが専門家の仕事です。
怪我をしてから治療をすることももちろん大切ですが、怪我を防ぐことが最も重要です。
怪我をしてしまうとマイナスに落ちてしまい、ゼロに戻すこと、さらにプラスに持っていくには大きな労力がかかります。
もちろん怪我をしたことで得られる経験や人間力などプラスとなる要素は十分あります。
予防できることはしっかりと防ぎ、よりプラスとなるためにエネルギーを使ったほうがより良い仕事ができ成果へとつながります。
悪い状態を我慢して無理をすれば悪いパフォーマンスで納得できない状態が続いてしまいます。
そこで悩んでいるなら専門家にチェックしてもらい良い状態に導いて活動した方がパフォーマンスだけでなく効率性も上がります。
まとめ
筋肉の状態を良くして、関節の捻れを取り除くことで動きにスムーズさが出ます。
良い状態で仕事や競技をすることであなたのパフォーマンスは発揮できます。
【まとめ】
・疲労が蓄積することで怪我につながってしまいます。
・良い状態にすることであなたのパフォーマンスは向上します。
・疲労の蓄積から筋バランスが悪化して関節の捻れが生じて摩擦力が増加して痛みとなります。
・筋肉を包む筋膜が癒着すると動きが悪くなり痛みとなり、マッサージで軽減できます。
悪い状態が続いてしまえば改善にも期間がかかってしまうものです。
軽症なタイミングで疲労を蓄積させないように対応していきましょう。
そのお手伝いができれば嬉しい限りです。



