テーピングの技術や知識を習得する際にどうしても独学になってしまう点があります。
独学でも学べることはありますが、大きな時間の損失になってしまいます。
テーピングを習得したい方は、テーピングスキルだけでなくその他にも技術習得や知識を得て経験値を積むことにも時間を投資しなければならないわけでテーピングの時間にばかり長期間かけていては全体的なベース構築につながりません。
今回はテーピング学習に対して独学で勉強するメリットとデメリットを解説していきます。
私は現在プロバスケチームでアスレティックトレーナーとして活動して24年間となるベテラントレーナーです。
毎日プロ選手にテーピングを巻き対応していますので、テーピング技術は必須の領域で活動しています。
さらに教え子もプロトレーナーとして多数活躍していますので今回の記事は参考になるかと思います。
私自身テーピングを学習する際に本にて勉強し、教えてくれる機関や講習会などにも機会がなく独学でテーピングを学んだ経験があります。
しかし、3度の挫折でゼロからやり直し、アンダーラップが自信を持って巻けるようになるまでに3年間かかってしまいました
大きな時間のロスをしたと今でも思っていますし、その当時のテーピング技術のレベルの低さを痛感することがありました。
先輩のテーピングスキルを見た時にスピードの速さと正確性に衝撃を受けてしまうほど自分の基礎がないことに気付かされました。
【結論】
・テーピングは独学よりも習うことの方が効率よく学習でき、気づきや指摘を得てモチベーション維持にもなる
・趣味での独学と仕事での独学では大きなちんがいがあり、技術や知識のバラつきが出てしまう
・独学ではどうしても遠回りとなってしまう点はあるが自分自身の思考力は向上するので継続できる意思の強い方は向いている
・独学による弊害も多く挫折してしまう方がほとんどである
・独学でも悩みや相談や指摘をしてくれる指導者が身近にいれば技術向上は十分可能である
独学では限界を感じた点もありますので今回の記事で紹介していきます。
目次
テーピング技術習得の学習

テーピングの学習にも様々な領域があります。
・テーピング知識/理論
・テーピングの基礎技術
・テーピングの応用テクニック
・テーピングに関する道具の使い方
・テーピングを巻く際の判断基準
このようなことがテーピング学としてあります。
知識
テーピングの知識としては以下のものがあります
・テーピング理論
・テーピングの名称
・テーピングの巻き方
・テーピングの種類
・テーピングに関する注意事項
・部位別のテーピングの巻き方
簡単に紹介しだけでもこのような事が知識としても必要となります。
知識に関しては知っているか、知らないかの差が大きいのでまずは情報を入手していく事です。
そして現場で使える形に築いていくことになります。
基礎技術
テーピングは基礎となる技術があります。
いかに土台を固めていくかによって対応力の差が応用テクニックの際に影響します。
テーピングは3つの動作の連続となります。
1.テープを巻く分引き出す
2.テープを巻く
3.テープを切る
単純に言えばこの3つを繰り返していくわけです。
その中でテープの走行や角度、種類や圧の力加減、個人のニーズなどにどう対応していくかということです。
技術を身につけるには、良い手本を見て真似て努力を継続するということです。
ここを把握すれば誰でも必ず上達できるのがテーピング技術です。
私が考案したテーピングの基礎技術7ヵ条をしっかりとイメージして反復練習することで必ず上達していきます。
詳細はこちらを参考に↓↓↓
>>テーピング基礎技術に必要な7要素を習得して脱初心者への道
応用テクニック
テーピングは選手の症状や時期によっても巻き方が変化します。
さらに個人によって圧の加減やポイントも変わってきます。
応用テクニックではただ固定や保護するだけでなく、痛みを軽減したり、アライメントを調整したり、負担を軽減したり、パフォーマンスを向上したりと選手ニーズに対応する完全オーダーメイドのテーピングになります。
選手によって、競技によってもテーピングは対応方法が異なってくるのでテーピング思考を構築していく事が経験値として生かされ、差別化できるスキルとなります。
道具の使い方
テーピングといってもテーピングを巻く際にアイテムとして使用するものがあります。
・テーピングシザース
・ヒール&レースパッド
・セカンドスキン
・テーピングパッド
・カバーロールストレッチ
代表的なものはこの辺りかと思いますが、シーンによっても異なってきますので道具の使い方も知識のうちの一つです。
判断基準
テーピングを巻く際に選手の状況を確認してテーピングを巻いていきます。
その際に決断しなければならないことがいくつかあります。
・症状の特定
・評価
・テーピングの巻き方を決める
・テーピングの種類とサイズを決める
・選手のニーズを把握する
・実際に巻いて確認する
このようなことを判断していかなければならず、そのためには基準となる判断材料が必要となります。
この辺りを学習しなくてはテーピングをただ巻けるだけで、症状によっての使い分けやアレンジができません。
言われた通りの巻き方をすることはできても、自分で考えて巻き方を考案していく事ができない技術となってしまいます。
独学のテーピング技術習得メリット

テーピングはしっかりと教えてくれる機関がまだまだ少ない現実があります。
そのためどうしても独学にならざるを得ないケースもあります。
独学でも技術向上できる方ももちろんいます。
この項目ではテーピングを独学で行うメリットを紹介いたします。
自分で考える力
独学では基本的に自分自身で本や動画を参考に技術の練習や勉強に励むわけです。
問題点に直面した際に疑問のままにせず調べたり、質問できる環境であれば停滞する事なく、自分自身での研究心によって思考力は強化されます。
テーピングでも自分自身に巻いて、動いて、感触をフィードバックしてどこが問題となるのかを認識できれば大きな経験値として財産になります。
特にキネシオタイプは多様性のあるテーピングなので、貼る際の角度、テンション、圧によっても機能性が全く異なってくるので、自分に巻いて動いて小さな違いを体感することは必須となります。
このようなことでテーピング思考が強化されてアレンジができるようになる点では独学でも大きなスキルアップとなります。
自己投資費用
テーピングを習う際に学校の授業でも授業料としてお金を支払って参加しているわけです。
テーピング講習会でも自己投資をして技術や知識を学ぶわけです。
このように自己投資をすることでその分自分の領域よりも新たな情報やテクニックを学ぶ事ができ、効率よく技術習得していけます。
独学ではもちろん自己投資して教材を入手して実行するので全く費用がかからないわけではありませんが、講習会費などの節約はできるかと思います。
ただし、その反面時間効率が悪くなってしまうデメリットもあります。
経済的なゆとりや自己投資できる費用があるなら良いのですが、学生の場合はテーピング自体が高価な品物となってしまい、テーピングの練習すらできないのが技術習得の歯止めとなってしまいます。
独学ではこの辺りを最低限に抑えて学ぶというスタイルは構築できることはメリットになります。
学習の自由度
テーピングの練習でもう一つ難易度があるのは、巻く相手が必要になることです。
相手のタイミングの時間に合わせる必要があり、自分の勉強したいタイミングでできないことも多いのが技術習得のマイナス点です。
独学の場合基本的には1人で自分のタイミングで勉強するので学習の自由度が得れることは大きな利点です。
ただし、自由な分、自分自身でのルールや制約をつけないと技術向上が遠のいてしまう難点となります。
この辺りは取り組む姿勢が大切です。
独学ではマインドセットしてセルフコントロールのできる方には向いていますが、自己管理ができない方は指導者がいることでスイッチを入れて行動できるので独学よりも習う方が相性が良いです。
独学のテーピング技術習得デメリット

テーピング学習を独学でやってしまうことによる弊害もあります。
これは私自身が独学で行って3度ゼロからやり直し、3年間時間をロスした経験があるのでわかっています。
ですから効率よく学習して時間の無駄をなくして欲しいと思っています。
時間のロス
独学で学習すると何からやればいいのか、何をすればいいのかという部分が分からずに迷走してしまいがちです。
知識を習得するにも技術を習得するにも順序があり、効率性が全く異なってきます。
人は生まれながらにして環境が異なりますが、平等なのは時間です。
そして何より大切なのが時間です。
いかに効率よく道標の通りに順を踏めば完成までの速度は大幅に短縮でき、別の事に時間を有効活用できるのです。
何をすればいいのか、どうしたらいいのか、正解すらわからない状態では進む事すらできないこともあります。
一生懸命努力していることがマイナスになってしまう事すらあります。
独学ではその答えを知るまでに大きな壁や崖が潜んでいます。
大きな遠回りとなってしまうことにつながるので指導して導いてくれる環境を活用した方がスピード感が変わってきます。
基礎技術の未完成
独学による弊害として情報の偏りもあります。
プロやトップレベルで活動している方は経験値も多く捉え方も異なり、概念すら発想できない領域のイメージを持っています。
テーピングの基礎技術とはなんでしょうか?
これを答えられる方がどのくらいいるのでしょうか?
それだけテーピングは技術を文字化することが難しく、実際にテーピングを巻いてみないと見えてこない分野があります。
基礎をしっかり身につけることで土台ができ積み上げられる範囲が増えて応用テクニックにつながります。
しかし、何が基礎で偏った情報や技術では対応できない事のバラツキが出てしまいます。
これは実際にプロトレーナーとして活動している方にテーピング指導をした際に基礎ができていないことから応用テクニックを教えても全く身にならず、結局基礎を1からやり直してもらいました。
できる事とできないことが明らかで、初心者レベルの部分も多く総合的にプロ選手にテーピングを巻く技術だけでなく、思考も備わっていなかったというトレーナーのスキルをやり直すのに3ヶ月かかってしまいました。
新たな情報
独学では情報の入手量が少なく、トップレベルのテクニックなど情報や対応の仕方はなかなか入手困難な領域なんです。
仲間や指導者がいると新たな情報だけでなく、間違った点、修正ポイントなども知る事ができ、技術に磨きがかかっていくものです。
気づき・指摘
テーピングの技術は巻く量が大切です。
しかしただ巻いていても、評価してくれる人がいるのといないのでは大きな差となります。
気づきや指摘をもらえることで改善されてより良いテーピングを提供でき、選手のパフォーマンスを向上することができます。
このように自分では良いと思っていることが、もっと良い方法があったりと気づくことは向上心やモチベーションにもつながります。

学習の効率性
何をすればいいのか明確になっていれば、あとは行動することで必ず上達していきます。
計画を立てて実践し、修正点を見直して、解決策を実行するPDCAサイクルをこなしていくことで学習の効率性が格段に上がり短期間で技術習得につながるわけです。
ロードマップ
何から始めて、次に何をする、やる事が明確となって進むべき道標があることで努力を継続する事ができます。
あなたがテーピング技術を習得するためのロードマップが準備されていたらどうですか?
これをこなしていけば確実に上達するという事がわかっていれば行動に移せるかと思います。
指導者はその領域を経験しているので段階的な過程をわかっています。
独学では想像ができない領域を提供できるのが指導者から受ける特権となり、効率性が飛躍するのです。
プロからのアドバイス

プロトレーナーからのテーピング技術習得のアドバイスとして、上記で紹介したように独学ではデメリットとなることがとても多い現実があります。
特に時間のロスは大きな機会損失にもなってしまいます。
失敗から得れることもありますが、テーピングは基礎技術、応用テクニック、キネシオタイプ、判断基準、テーピングの選択肢、スピード巻きテクニックなど学ぶ量が多く、ベースとなる基礎をいかに早期に基準を上げられるかということは大切な点です。
私が独学で挫折し、ゼロから3度やり直し、アンダーラップを完成させるのに3年間かかったこと、選手にダメ出しされて恐怖症にもなりました。
ですから独学で遠回りし、迷走し、正解なのかも見えないで一生懸命練習しても努力と上達が比例しないのです。
しかし指導を受けることで一気に上達できる感覚を得れて自分自身の成長を実感する事ができます。
個人的には独学よりも断固として指導を受けるサポートがあった方が成功する確率が上がるかと考えます。
まとめ
今回、テーピング技術習得に対して独学でのメリット・デメリットというテーマで解説してきました。
【まとめ】
・テーピングは独学よりも習うことの方が効率よく学習でき、気づきや指摘を得てモチベーション維持にもなる
・趣味での独学と仕事での独学では大きなちんがいがあり、技術や知識のバラつきが出てしまう
・独学ではどうしても遠回りとなってしまう点はあるが自分自身の思考力は向上するので継続できる意思の強い方は向いている
・独学による弊害も多く挫折してしまう方がほとんどである
・独学でも悩みや相談や指摘をしてくれる指導者が身近にいれば技術向上は十分可能である
テーピングを独学で学ぶことはデメリットの方が多く、自分の目標への成功する可能性を高める事ができます。
趣味での独学は面白みもあり、遠回りしてもひとつづつ経験値を上げていく事自体が楽しい部分でもあります。
しかし、仕事では独学で遠回りするよりも時間効率を良くして学んだ方が利点は多いわけです。
自己投資していくというマインドも大切にしていただけるとその分のリターンが返ってきます。
今回の記事がテーピング学習で悩んでいる方の参考になれば幸いです。