テーピングには基礎技術があり7ヵ条として定義しています。
この7つの要素をしっかりと習得することで技術上達が高まります。
テーピングの技術を習得したいと思っている方が陥りやすいのが、何からやればいいのかわからないということではないでしょうか。
テーピングを習得して脱初心者として選手にテーピングを巻けるようになることは一つの目標となります。
テーピングは独学になりやすい領域であります。
なぜなら教えてもらえる環境がなかなかなく、どのようなステップを踏めば上達できるのかがとてもわかりにくいためです。
今回はテーピング技術習得に必要な点を解説していきます。
私は現在プロバスケチームでアスレティックトレーナーとして長年活動しているベテランのトレーナーです。
毎日プロ選手にテーピングを巻いていますので参考になるかと思います。
Instagramでもテーピング専用のアカウントを運営しています。
テーピングは基礎技術がとても大切です。
しかしテーピングの基礎って何ということです。
しっかりと明記されていることがなく何から練習すればいいのか迷ってしまうわけです。
私はテーピングを独学で学んで大きな遠回りと挫折をした経験があります。
アンダーラップを完成させるまでに3年間かかってしまいました。
その経験からテーピング基礎技術を7ヵ条として、ここを意識して練習することで効率性と確実に上達できる流れを作ることができました。
その甲斐あって選手からも信頼されるようになり、教え子も多くのプロトレーナーを輩出できています。
【結論】
・テーピングには基礎となる技術を徹底すると上達が早く応用につながる
・5つの要素を意識して取り組むことで脱初心者になれる
・テーピングの基礎技術7ヵ条を心得て実施すればプロレベルに到達できる
・テーピングはプロのトレーナーでも基礎ができていない方が多いです
・しっかりと身につける事で差別化できるスキルとなる
それではテーピング技術の解説に入ります。
テーピングの学習方法

テーピングを学習するには以下の方法があります。
・本や動画を見る
・スポーツ現場を見る
・テーピング講習会参加する
・プロに直接指導を受ける
下に行く程内容が濃くなっていきます。
本や動画を見る
昔ながらにテーピングの本はありますが、現在では動画の方がわかりやすい点があります。
ただし、動画と言ってもSNSでの短時間の投稿を見てもなかなか実際にイメージできずどのような考えでテーピングを巻いているのかは伝わりにくいものです。
私もSNSでテーピング動画を投稿していますが、正直1分程度の動画では伝えられなくテーピングの巻き方は参考になるかと思いますが、実際に技術として習得できるかというと別物と思っています。
SNSでの動画や本ではあくまでも選手本人が自分でテーピングを巻く事やマネージャーがテーピングを巻く時の参考ベースでの発信だと思っています。
現実的に本やSNSの動画だけでは技術習得は難しいのかなと思っています。
スポーツ現場を見る
実際にスポーツの現場へ見学に行くことで、選手とのやりとりやテーピングを巻く際の環境、テーピングの種類、道具など実際に現場で活動している方の動きを見ることができとても参考になります。
ただし、そこから次のステップとしてテーピングを教えてもらえればいいのですが、見学だけではイメージはできるものの技術習得には繋がらないわけです。
・実際にテーピングを巻いてみる
・新たな気づきや指摘を得る
・フィードバックして次に活かす
見学しただけでなく、実際にテーピングを巻くことで得れることが分かってきます。
やはり実践できるかできないかは大きな違いとなるわけです。
テーピング講習会に参加する
テーピング講習会に参加することで得られることは多いものです。
プロ等で実際に現場でテーピングを巻いていた経験者から直接教えてもらえれば大きなヒントになります。
テーピング講習会での難点としては
・大人数になりがちで練習できる時間が少ない点
・直接教えてもらえる時間がかなり少ない事
・練習にはテーピング費用がかかってしまうので練習時間や回数が少量となる
このようなことはどうしても規模にもよりますが仕方がないことです。
しかし、受講生同士のつながりや指導者とのつながりはとても大切なので大きな1歩となるはずです。
プロに直接指導を受ける
最も上達速度が速いのはプロから直接指導を受けることです。
1-3名程度の指導であれば具体的なポイントや悩みなど個人レベルで対応してくれるわけです。
徹底して習うことや弟子入りすれば確実に技術上達でき、プロチームなどのレベルでもテーピングを提供できる上級者レベルに到達できる近道です。
私のテーピング指導として
・直接指導している
・少数での講習会
・オンラインでも学べる環境
・1人でもテーピングの練習が実施可能
テーピングの練習での問題点を解決できるように指導できる環境を整備したシステムを構築しました。
興味のある方はお問合せください。
脱初心者への道5要素

以下の5つを意識してテーピングの学習に取り組めば必ず上達します。
テーピングは誰でも必ず上達できるスキルです。
幼少の頃から英才教育をしないとトップレベルに到達できないようなスキルではないです。
テーピングを本気で学習し始めるのは早くても高校のマネージャーの方々です。
本格的に知識を兼ねて学習するのは専門学校や大学のスポーツ科に在籍してからとなります。
テーピングは年齢に関係なく誰でも上達できる技術ということなのです。
ただし、条件があります。
良い手本を見て真似て努力を継続する
①とにかく練習する
テーピングは毎日30分でいいのでテーピングのことを考えて練習を行うことです。
3ヶ月間毎日テーピングを巻けばそれだけでも慣れていき感覚が掴めてきます。
上手い人と初心者でいちばんの違いはテーピングに触れてきた時間が経験値として大きな差となっています。
プロは毎日何人もの選手にテーピングを巻いています。
圧倒的な量の違いがあるわけです。
②1本のテープの巻く意味を理解する
テーピングにはテーピングの巻き方があり役割があります。
テーピングの巻き方の種類を足関節を例として
・アンカー
・スターアップ
・ホースシュー
・サーキュラー
・ヒールロック
・フィギュアエイト
このように巻き方にもたくさんの種類があります。
この1つ1つがどんな目的でテーピングを巻くのかを理解することで脳にインプットされて神経と筋肉の結びつきを加速させます。
ただ教科書通りにテーピングを巻くだけでなく、その1本のテープがどのような働きをしているのかをイメージできれば大きな成長となり応用ができるようになるわけです。
③学習を継続する
テーピングの練習は1-2日間行ったからといって上手くなるわけではありません。
ですから講習会へ参加したからといって練習をしなければ技術として定着しません。
いかに良い手本を反復練習するかということがとても大切なことなのです。
モチベーションの高い時期は1日数時間テーピングを練習しても、1週間後には全く練習しなくなってしまったという事では上達することができません。
技術は神経と筋肉を結びつける作業が大切で、技術習得の4段階で解説しているStep3の意識すればできるからStep4の無意識でもできるまで継続して練習する必要があるのです。
ちょっとできるようになったからといってやめてしまえば技術は退化してしまい感覚がなくなり、イメージ通りに手を動かすことができなくなります。
④フィードバックする
自分で巻いたテーピングを人に評価してもらうととても向上できます。
・上手い方のテーピングをみる
・自分で巻いてみる
・テープの走行や圧加減などの確認
・第三者から指摘してもらう
・巻いた選手から感想を聞く
・動画で撮って確認する
フィードバックとしてはこのようなことができます
選手によってもニーズや症状は異なるのでフィードバックによって次に巻く時にもっと良い感覚で巻けるようにしたいものです。
そのためにはフィードバックして改善点や気になる点、良かった点を教えてもらえると成長速度が急上します。
⑤上手い人を完コピする
上手い人のテーピングを見て真似ていきますが、しばらくすると独自のオリジナルに変化して結局うまくいかないと言う方がいます。
中途半端に真似て悪い動きが加わってしまい、技術上達の歯止めを自分自身で知らず知らずにかかってしまっているのです。
まずは一旦完コピして真似てみましょう。
その動きに慣れなくても何度も行っていれば違和感がなくなります。
守破離という言葉がありますが、教えを守ことが前提で形を作ることが1段階目です。
教えを守りながらも自分にアレンジするのが破となります。
型がなければ型なし
形があるから型破りというわけです。
まずは完コピすることがもっとも早く上達できる近道です。
テーピング基礎技術7ヵ条

テーピング基礎技術7ヵ条は私がテーピングを指導する際に必ずこの点をイメージして練習することでテーピングスキル向上に繋がる方法として確立いたしました。
もちろんテーピングの習得方法は様々なやり方があるかと思いますが、誰でも必ず再現性がある学習方法として以下の7項目を心得て練習していただければ必ず上達します。
参考にしてみてください。
1.テーピングの切り方
テーピングの技術で実際にほとんどの方が習わないで技術習得しているのがテーピングの切り方です。
テーピングの切り方にもいくつかの方法があり、テーピングの巻き方によって使い分けることで綺麗に丁寧に素早く次の動作に行けます。
テーピングを切るということは簡単そうに見えて難易度が高いスキルとなります。
まずはテーピングを切れるようにするということです。
ホワイトテープではメーカーや種類によっても切りやすいテープや切りにくいテープが実際にあり、どんなテープでも対応できるようになれば対応力や応用力につながります。
2.1つ1つの役割を理解する
テーピングには脱初心者の②で解説したように1本1本テーピングの巻く役割があります。
この点を理解しておく事で知識や技術の吸収力が高まり応用テクニックへ進んでいけるのです。
テーピングは選手の症状やニーズに合わせたオーダーメイドとなります。
オーダーに対応できるにはテーピングの役割を理解して機能的に巻けるようになる事でハイレベルなテーピングを巻けるようにスキルアップしていきます。
3.テープの引き出す長さを見極める
テーピングの動作は3つの繰り返しです。
1.テープを巻く分引き出す
2.テープを巻く
3.テープを切る
この3つの動作を繰り返して完成させるのです。
テーピングは巻く分の長さを引き出してから巻くことで圧のコントロールができ、調整力が身につきます。
テープを巻く分一気に引き出すやり方とヒールロックやフィギュアエイトのように長さがある巻き方に対しては2度引き出す方法もあります。
テープを貼る分引き出せるようになるとテープを巻くスピードも向上していきますので一石二鳥の技術習得となります。
4.テープを貼る体勢を意識する
テーピングはいつも同じ体勢で巻ける環境にはならない可能性もあります。
ですがどんな環境下でも同じように巻くことができるようになるためにはテーピングを巻くフォームが安定していることがとても重要です。
安定したフォームが確立できるからこそ、テーピングの巻く走行や角度の安定が実現となり、スピードで巻くための基盤となっていきます。
毎回安定したテーピングを提供できるようになるにはテーピングを巻くためのフォームが重要というわけです。
プロの場合選手に連続して何人も限られた時間の中で巻かなければなりません。
負担がかかってしまうフォームでは自分自身の体を壊してしまうわけです。
良いフォームというのは実力が最大限発揮できる事と自分の体に負担がかからない巻き方がもっともベストという事です。
5.包帯をひたすら練習する
テーピングの練習はテーピングを巻くことが大切となり費用がかかってしまいます。
この点がテーピング技術習得への阻害要素の一つでもあります。
特に学生の場合は高価なテーピングを多用して練習する機会はなかなか経済的にも難しい現実があります。
そこで良いアイテムが包帯です。
包帯は再利用可能であり、応急処置としても利用できるので包帯の技術習得にも一石二鳥のテクニックとなります。
包帯で練習することで手の持ち替え方や走行のイメージができ初心者では反復練習にはもってこいの練習方法となります。
一見共通部分が異なると感じる方もいるかと思いますが、包帯を丁寧に巻ける方はテーピングを巻いても吸収力が早く上達しやすいのです。
包帯で練習して感覚を養うことで上達しやすく経済的に練習できます。
6.1つ1つのテーピングを繰り返し練習する
テーピングを練習する際に例えば足関節のテーピングを教えてもらった際にどうしても最後まで完成させたくなります。
講習会でも巻き方を教わって、ペアでテーピングを巻き合う形式での指導方法が一般的ですがイメージ作りにはとてもいいのですが、テーピング技術を上達させるには不向きな練習方法になります。
技術は正しい手本を見て真似て反復練習する必要があります。
テーピングは一度にたくさんの情報が入りすぎてしまうことで脳がフリーズして簡単なことすらエラーを起こしてしまうのです。
これは私のテーピング講習会に医師が参加していただいた時がありましたが、医師でさえ簡単なレベルでもエラーを起こしてしまい脳が処理できない状況となっていました。
ですから1本1本を同じ部位のテーピングの種類を徹底して巻きちょっとした走行によって圧のかかり方なども考慮する必要があるので、いかに情報を少なくして反復練習して手の使い方を慣らして感覚を掴んでいくかということが重要な訳です。
7.まずはスピードよりも正確性
テーピングはスピードで巻けるようになれば周りを魅了させられて差別化できます。
たった10秒くらいでリスペクトさせ話を聞く耳をもってくれるのです。
ですから魔法にかかったようにコントロールできるようになれるスキルがスピード巻きテクニックになります。
しかし、スピードで巻くと必ず雑になってしまいます。
まずはスピードよりも正確性を肝に銘じて練習することです。
スピードで巻くにはさらに別の神経領域となり、習得するにはスピード用の練習方法があります。
焦らず正確に巻けるように基礎を作り上げ土台を固めることでその後の技術習得の効率が大きな差となってきます。
プロからのアドバイス

私はプロチームで長年テーピングを巻いてきた実績があります。
男子バスケ日本代表でも活動して各プロ選手のテーピングの対応もしてきました。
色々な選手から機能的にテーピングを巻き、痛みの軽減、動きやすさ、後遺症対策、パフォーマンス向上にトップ選手から評価していただけました。
初心者から一歩先のレベルに到達することはそんなに難しい事ではありません。
上記の7ヵ条を徹底して行えば誰でも必ず上達して再現性も高いです。
テーピングはやはり量をこなすことがとても大切です。
量を巻かないで諦めてしまう方が本当に多く、残念でありません。
センスや才能は関係なく努力を継続できるかということがポイントとなり、取り組む姿勢が技術力を向上させると実感しています。
あなたの目標目指して練習を継続してください。
まとめ
今回はテーピング基礎技術に必要な7要素を習得して脱初心者への道というテーマで解説しました。
【まとめ】
・テーピングには基礎となる技術を徹底すると上達が早く応用につながる
・5つの要素を意識して取り組むことで脱初心者になれる
・テーピングの基礎技術7ヵ条を心得て実施すればプロレベルに到達できる
・テーピングはプロのトレーナーでも基礎ができていない方が多いです
・しっかりと身につける事で差別化できるスキルとなる
テーピングは年齢に関係なく誰でも必ず上達できる技術領域です。
それには上記で解説した点を配慮してやり続けるマインドセットが必要です。
気づきや指摘を得れる環境があればモチベーション維持にもつながります。
テーピングを本格的に学びたいという方はお問合せください。
必ず上達させてみせます。
今回の記事が参考になれば幸いです。