私はプロバスケチームで長年アスレティックトレーナーとして活動するベテラントレーナーです。
私が関わるバスケットボールは膝のトラブルがとても多い競技です。
その中でも膝関節や足関節の捩れが原因となって大きな怪我につながるケースがとても多く感じます。
特に下腿が外旋(脛が外側に引っ張られて外に回転している状態)しているケースが多いものです。
これは競技特性から起こるケースが強いと感じていますが、悪化すると膝が内側に入りやすくなって前十字靭帯の損傷にもつながる要因だと考えています。
今回の記事では関節に捩れが加わることで怪我が起こりやすくなるのでその辺りを記していきます。
動作習慣による筋バランスの偏り
人には個人差があり、代表的な形態としてはO脚やX脚がありますが、それ以外でも負担がかかりやすい形態があります。
・外反母趾や内反小趾
・扁平足やハイアーチ
・踵が内側に倒れる回内足や外に倒れる回外足
・股関節が影響するガニ股や内股
このような点が特徴的な部分的な負担になります。
さらに動作によっても癖があるタイプもいます
足先と膝の向きによって判断する事があります
・足先と膝が同じ方向を向いていればニュートラルポジション
・足先が外、膝が内側に入るタイプをニーイン・トーアウト
・足先が内、膝が外側に入るタイプをニーアウト・トーイン
とこのようにスクワットやランジなどの動作によっても負担のかかり方が異なってきます。
部分的な負担増大
ニュートラルポジションでは関節に関節に捻れが生じない為、負担が増大せずに済みますが、その他のタイプでは関節面に捻れが生じるために負担がかかりやすくなります。
しかし関節には安定させるための靱帯があり不安定感を抑える働きがあります。
靱帯もぎっしりと固定しているのではなく遊び部分が存在して負担を軽減できるようにしています。
しかし、疲労してくると関節面の遊びが軽減されることで負担がかかりアクシデントの際に本来なら軽傷で済むレベルでも靭帯損傷などの大きな怪我に繋がってしまうケースが出てくるのです。
動作習慣によって起こりやすい怪我のタイプが異なってくるので事前に関節のゆとりを作って予防することが可能なわけです。
ニーイン・トーアウトのタイプ
・外反母趾
・扁平足
・シンスプリント
・前十字靭帯
・内側側副靱帯
・外側半月板
・鵞足炎
・分裂膝蓋骨
このような怪我が起こりやすい傾向となります
ニーアウト・トーインのタイプ
・内反小趾
・ハイアーチ
・足関節捻挫
・腓骨疲労骨折
・外側側副靱帯
・内側半月板
・腸脛靭帯炎
このような怪我が起こりやすい傾向となります
この辺りを予防のためのトリートメントやセルフケア、トレーニングで良い状態にしておけば、身体接触などの不可抗力のアクシデントでも軽傷で済ます事が可能だという事です。
実際に私はプロで24年間活動してきましたが、予防を意識したアクティベーションや治療によってとても多い膝の怪我である前十字靭帯損傷の選手を1名も出さずに済んでいます。
もちろん運がいいのかもしれませんが、24年間ゼロ人である事実には変わりないので、予防スキルと治療が大きく活かされているのかと考えています。
動きの制限による痛みの発生
本来動くべき範囲の関節が筋肉の硬さ、筋膜の癒着、アライメント不良によって動きが悪くなってしまい制限がかかってしまうと筋肉が無理やり伸ばされる事によって炎症が起こるケースがあります。
また筋膜が癒着してしまうとその部分で無理に引っ張られることで部分的に痛みが発生する事もあります。
そしてバランスが悪くなると関節のアライメントが悪くなって擦れる摩擦力によってダメージが出るケースもあるのです。
痛い部分をかばって別の部位に負担がかかってしまい複合的に問題が出てしまい痛みが出ているケースもあります。
このように動きの制限によって痛みが出やすくなり、さらに無理して使い続けるとどんどん悪化していき、限界に到達してしまうのです。
とても悪くなる前にいかに対処していくかがポイントとなり、日頃のセルフケアを行うこと、自分でできない場合は治療を受けてメンテナンスするようにしたいものです。
関節の捻れによってあそびの消失
関節面で捻れが生じると動きに無理が出て特に部分的な摩擦力が増加して悪化してしまいます。
特に軟骨に影響が出てしまうと後遺症としてダメージが出てしまい、一生痛みを抱えてしまうケースもあります。
若い頃はなんとかなっても年齢を重ねると筋力が低下して、動作習慣も悪くなり、関節に対する負担が大きくなっていきます。
すると膝の場合立ち上がり動作に痛みが出て歩行することが困難になってしまうケースもあります。
肩では四十肩や五十肩が代表的ですが、動きの制限や痛み常にあり日常生活でも苦痛となってしまうわけです。
自分で見極める事が難しい
では関節の捻れを取り除けばいいのだな、という事ですが自分自身で関節面がどうなっているかを見極められる方はなかなかいないのが現状です。
治療にあたる医療資格を保有している方でも関節の捻れを見極められる方は限られているかと思っています。
プロのトレーナーでも関節の捻れを意識している方はなかなか少なく感じています。
ましてや患者さんが関節の捻れを感じるという感覚を持ち合わせていることはよほど治療院などの専門家と同等なベルである方だと思っています。
ですから自分自身で関節のアライメントを整えられるのであれば、かなりの確率で痛みを事前に防ぐセルフケアを実施して治療院や接骨院または病院へ受診する機会は激減しているはずです。
この辺りは専門家にて治療を受けて、自分自身でも対応可能なセルフケア方法を指導してもらい必要があるかと思います。
この辺りはプロチームで活動してきた経験値が大きく活かせる点だと考えています。
関節の負担を軽減して痛みを発生させないようなアプローチを希望される方はご連絡ください。
あなたの体のメンテナンスのサポートができれば嬉しく思っています。