【キャリパー法】皮下脂肪厚データから得られる体組成5項目を有効活用する

皮下脂肪厚から体脂肪率を測定するキャリパー法を活用して得られる情報は体脂肪率だけでなく、身体組成としてアスリートにも一般の方の健康管理としても有効活用できる数値がありますので今回紹介していきます。

皮下脂肪厚の測定データはアスリートがよく活用する測定方法ですが、一般の方は測定する機会がなかなかないかと思いますが、実際に皮下脂肪を摘まれて意識が芽生え健康管理やモチベーションにもとても役立つ測定方法なんです。

私は現在プロバスケチームでアスレティックトレーナーとして24年間活動しています。毎日選手の治療やリハビリコンディショニングやテーピングと選手のサポートを任された仕事を行っています。
今まで小学生、中学生、高校生、大学生、社会人、プロ選手とすべてのカテゴリーに対応してきた経験と今回紹介するキャリパー法も24年間測定してきた実績がありますので参考になるかと思います。

今まで測定してきて選手の意識改革とモチベーション維持にとても役立ってきました。
ただ測定するだけでなく、ちょっとした数値からの気づきを教えてあげるだけで大きな変化となり、選手の場合競技パフォーマンスだけでなく、トレーニングの必要性と食事の大切さを理解できるようになります。

【結論】
・身長/体重/皮下脂肪厚の測定から皮下脂肪の厚み/体脂肪率/脂肪量/LBM/筋肉量がわかる
・定期的に測定する事で自分の取り組んできたことがデータ化されて結果が見えてくる
・トレーニングや食事の見直し/改善/計画とPDCAサイクルに落とし込め向上できる
・意識改革とモチベーション維持向上できマインドセットへとつながる
・自分の努力やベストが数値を通して見えてくるのでやるべきことが明確化される

ではまず皮下脂肪厚の測定から紹介していきます。

皮下脂肪厚測定

体脂肪率を測定する方法としてはインピーダンス法とキャリパー法があります。
インピーダンス法は一般普及され体重計でも測定されているように体水分量から算出する方法です。

キャリパー法

皮下脂肪厚を測定して難しい計算式に当てはめる必要性がありますが、体脂肪率を算出する方法です。

キャリパー法にも1点法、2点法、3点法と測定する部位によってや目的によって選択できるようになっています。

キャリパー法はキャリパーという皮下脂肪を摘んで厚みを測定する器具を必要としますが、身長と体重がわかっていればどこでも手軽に測定できる点は大変便利で特に設備も必要ないので簡単に測定できます。

◾️キャリパー1点法はもっとも簡単に測定でき自己管理できる測定方法です。
詳細はこちらの記事を参考に↓

>>【体脂肪率】皮下脂肪厚測定のキャリパー法(1点法)の測定方法

◾️キャリパー2点法は背中の測定もあるので自分自身で測定することは難しくお仕事で活用したい方向きです。
計算式が男性、女性と分かれている部分も特徴の一つです。
詳細はこちらの記事を参考に↓

>>【体脂肪率】皮下脂肪の厚みを測定して算出するキャリパー2点法

◾️キャリパー3点法は腹部も測定する本格的な測定方法で実際私が採用している測定方法です。
男性、女性と同じ計算式を使用するのでジェンダーの方にとっても示しやすく数値の信憑性も高いと思っています。

キャリパー法のメリット

・キャリパーと体重計とPC等があればどこでも簡単に測定できるので現場に行った際などでも測定できます。
・皮下脂肪から測定する体脂肪などの体組成を得られるので大きな誤差は起こりにくいです
・直接測定することでアドバイスできモチベーションの維持向上、意識改革ができる

キャリパー法のデメリット

・キャリパーは0.5mm単位の測定をするため摘み方、測定の仕方に練習する必要がある
・仕事にする際にキャリパー自体が高精度のものがよく数万円してしまう
・皮下脂肪厚が70mm以上になると測定できないので太りすぎている方は内臓脂肪も多くインピーダンス法が適している

皮下脂肪厚から得られる体組成5項目

キャリパー法から体脂肪率を測定することだけが目的ではなく、むしろ別の体組成に注目して欲しい5つの項目を紹介していきます。

1.皮下脂肪厚

1点法では骨盤の前面にある腸骨上部の皮下脂肪を摘んで測定します。
2点法は上腕部、肩甲骨下角を測定して算出します。
3点法は上腕部、肩甲骨下角、腹部を測定します。

摘まれた感覚、そして数値を確認して自分で摘む習慣が得られると定期的に測定した結果、摘んだだけでどのくらい変化しているか把握できるようになってきます。日頃から摘んで皮下脂肪を意識するだけでも自己修正力が獲得できます。

2.体脂肪率

体脂肪率は体重に対しての脂肪を%で示した数値です。
現在では体脂肪率も当たり前ですが、体脂肪率では実際にどの程度脂肪があるのかイメージしずらい点もあります。
体脂肪率は他者と比較する際にとても有効な数値となるので競技での同じポジションのトップ選手のデータなどは参考値となります。

3.脂肪量

体脂肪率がわかると体重に対してどのくらいkgで脂肪があるのか数値化できます。
脂肪量によって実際にどのくらいの重りを体につけて運動や生活をしているのかがイメージしやすくなります。

例えば体重60kgで体脂肪率が10%なら6kgが脂肪として重りを身につけて活動しているということです。
これが9%になると脂肪量は5.4kgになるので0.6kg脂肪が減少したという感覚が芽生えます。

その結果パフォーマンスにどう影響しているのか、体が軽くなりジャンプしやすくなった、持久力的に息切れが遅くなったなどの反応をみるのがトップ選手の行っている感覚を確かめる一つの手段となります。

4.LBM

Lean Body Massの略ですが除脂肪体重と言います。脂肪を除いたすべての体重を指します。
この数値では骨、内臓、筋肉などすべての物が含まれていますが、高校生以上では身長もそこまで変化しなくなりますので一番変動するものが筋肉量となります。小学生や中学生では内臓も発達中のため増加していきますがもっとも増減しやすいのが筋肉といえます。
筋肉量の指標として一つの参考になる数値なわけです。

5.筋肉量

キャリパー法では筋肉量という特定した数値を算出することはできませんがLBMの数値の変動として筋肉量が参考になります。
LBMを身長で割ることで1cmあたりの筋肉量を算出できるので他人と比較ができます。kg/cmとして表せます。
【LBM/身長】この数値が筋肉量として高校生以上であれば指標として表せるのでトレーニング成果や食事のイメージが整ってきます。

どうデータを活用するか

私が活用しているデータをご紹介します。

私の場合、特に体重、体脂肪率、LBM/身長の3つの項目は大きな意味があると思っています。
体重は体調や食事によって筋肉としても脂肪としても増減しやすい数値になります。
体脂肪率は脂肪に特化したデータなのでその数値によって体が肥えたか絞れたかを測れます。
LBM/身長で筋肉量の増減を確認できトレーニング成果を確認できるとともにチームメイト等で比較することができ競争心が生まれます。

◾️例えとして
・体重↑体脂肪率↓LBM/身長↑という結果であれば筋肉で体重増加しつつ引き締められた最高の結果になります。
・体重↓体脂肪率↑LBM/身長↓という場合は筋肉が減って脂肪が増えてパフォーマンス低下、怪我のリスク増加という結果になります。

トレーニング指標

普段の練習やトレーニングが身になっているのかを数値化できるのでとても参考になります。
例えば夏場の暑い中で激しい練習を行いすぎてしまうと体重が減少したり食が細くなってしまうとLBM/身長が減少するでしょう。

そうするとせっかく行っている練習がメンタルや根性論化して全てがマイナスではないとしても体へのダメージは大きくなります。
特に筋肥大を狙っているようであれば体組成のデータから練習やトレーニングを見直して修正できるポイントとなるわけです。

食事指標

いくら食べても体重が増加しないというケースでは何が問題となり、原因を探る機会となります。

食事の量が問題なのか、食べる回数を増やすべきか、練習時間が長いのかなど検討することができます。

コンディショニング指標

PDCAサイクルを回すことができ軌道修正することができます

PDCAとは
Plan・・・計画 計画を立ててイメージを作る
Do・・・実行 実際に実行していく
Check・・・評価 行動がうまく進んでいるのか評価して修正を検討する
Action・・・改善 問題となっている原因を突き止め改善策を見出す

PDCAをなん度も繰り返すことで効率的に練習、トレーニング、食事、リカバリーからパフォーマンスにどう影響しているのかデータで確認することができるので確実に良い形に導くことができるわけです。

まとめ

皮下脂肪厚から体組成データを収集してスポーツ選手のコンディショニング調整だけでなく、一般の方にも健康管理として、また各自の目的のために体組成のデータを活用することで新たな気づき、未知の領域を確認できモチベーションの維持向上に良い働きかけの一つとして活かせるはずです。

【まとめ】
・身長/体重/皮下脂肪厚の測定から皮下脂肪の厚み/体脂肪率/脂肪量/LBM/筋肉量がわかる
・定期的に測定する事で自分の取り組んできたことがデータ化されて結果が見えてくる
・トレーニングや食事の見直し/改善/計画とPDCAサイクルに落とし込め向上できる
・意識改革とモチベーション維持向上できマインドセットへとつながる
・自分の努力やベストが数値を通して見えてくるのでやるべきことが明確化される

今回紹介した内容はインピーダンス法でもキャリパー法でも活用できる部分があるかと思います。

セルフコンディション、お仕事としての活用にも活かせるデータとなり活用の仕方としては大きな財産となります。

私はキャリパー法を活用してプロ選手から学生のコンディション向上に大きな影響を与えてきたと実感しています。
あなたにとっても役立てていただければ嬉しい限りです。

今回の記事が参考になれば幸いです。

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