足関節捻挫をした際にしっかりと回復させてプレイすることが最も望ましいのですが、大会間近や試合があれば多少無理してもプレイしなければならないこともあります。
そんな時にサポートできるのはテーピングやサポーターとなります。
筋力の回復はすぐに改善されるものではなく、可動域も完全によくなるには時間がかかるものです。
ではプレイを行う際にどのように対応すればいいのかというとテーピングやサポーターで負担を軽減させて固定や保護をして安定感を出すことでプレイ可能となるケースもあります。
今回は足関節で最もオーソドックスなホワイトテープを使ったテーピングの巻き方を紹介します。
私は現在プロバスケチームでアスレティックトレーナーとして24年間活動しています。
毎日プロ選手のテーピングを巻いていますので参考になるかと思います。
足関節のテーピングといっても症状によっても巻き方も変わってきますし、使用するテーピングも異なってきます。
テーピングは自分に合ったオーダーメイドとなるためフィット感があります。
この辺りはサポーターよりも優れた点ですが、テーピングは自分または人に巻いてもらう必要があるので難易度は高くなってしまいます。
【結論】
・テーピングは怪我が治るわけではない
・テーピングを装着することで負担を軽減できプレイ可能となることもある
・テーピングをしていれば良いわけでなくリハビリの継続強化を実行していく
・ホワイトテープは最もメジャーでコスパも良い固定できるテーピング
足関節捻挫のテーピングは最も難しいアンダーラップを最初に巻かなくてはならないのが難点で挫折してしまう方も多いので今回動画で確認できるようにし、さらに別記事でしっかり紹介しますのでぜひ参考にしてください。

目次
足関節捻挫

足関節捻挫で最も多いのが内反捻挫です。内返し捻挫とも言いますが外くるぶしの前方にある前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)を痛めるケースが圧倒的に多いので、今回は内反捻挫に対したテーピングを紹介します。
足関節捻挫の詳細はこちらの記事を参考に↓↓↓
>>バスケ選手の足関節捻挫による痛みの原因チェック方法
テーピングの目的

テーピングの効果として以下のことが期待できます。
・動きの制限
・部分的な圧迫
・痛みの軽減
・不安感を取り除く
このようなことがあります。
テーピングを巻く目的としても症状によって異なってきますが、以下のようなことがあります。
・怪我の予防
・怪我の再発予防
・応急処置
・動作の改善やサポート
・負担軽減により治癒促進や機能回復
上記のような目的としてテーピングを活用しますが、テーピングをしたからといって腫れがひく、筋力が回復する、関節可動域改善するということではなく、あくまでも対処療法となるので、その時の練習や試合にて負担を軽減させてプレイ可能な状態にするための手段となります。
リハビリや筋力強化というアプローチを継続してやることで症状が改善してテーピングなしでも対応できるようにすることが高校生くらいのカテゴリーでは大切な点となります。
大学生以上になるとより強度や負荷もかかってきて、何度も捻挫することで靭帯の緩みが出て不安定感が出てしまったり後遺症としてあるので予防や機能性を出すテーピングを毎回の運動時に必要となることがあります。
使用テーピング
・アンダーラップ
・ヒール&レースパッド
・ホワイトテープ38mm
アンダーラップ
テーピングを直接貼ってしまうことで皮膚炎やマメが出てしまうこともあり、皮膚を保護するためにアンダーラップを巻くことで回避出来ます。
アンダーラップを巻くことでテーピングを取り除く際も簡単に取り外せるのでアンダーラップを巻くことが一般的です。
※アンダーラップで皮膚かぶれしてしまう選手もいるので専門家へ相談してください。
対応策としては皮膚を保護するクリームを事前に巻くことで皮膜を作ってかぶれにくくする製品もあります。
・ピュアバリア
・3M キャビロン

ヒール&レースパッド
使用していない方も多いかと思いますが、プロ選手はほぼ毎日テーピングを巻くのでヒール&レースパッドを特に皮膚のトラブルが起こりやすい部位につけて対応します。
ヒール&レースパッドにワセリンをつけてアキレス腱の部分と足首の前面は特にテーピングが食い込んでトラブルになりやすい部分となり、保護して潤滑させて滑りを少し出して摩擦力を軽減させる目的です。
ホワイトテープ38mm
非伸縮性のコットンテーピングです。伸び縮みしないテーピングで固定力を出す目的で使用します。
ホワイトテープにも13mm,25mm,38mm,50mmとサイズ幅がありますが、足関節では38mmの幅のテーピングを一般的に使用します。
足のサイズが大きな選手には50mm幅を使用することが多いです。
足サイズが30cm以上の選手は50mmを使用することが多いです。
13mmは指によく使用し、25mmは踵や膝のオスグッドなどで活用できます。38mmは足首だけでなくテーピングは縦にも切っていけるので万能なテーピングの幅となります。50mmは膝に使用することが多いテーピングです。
テーピングにおける注意事項
・テーピングは万能ではない
・関節や筋肉等を考慮して装着
・腫れがあるかないか
・循環障害や神経障害
・テーピングにシワやたるみができていないか
・テーピングの装着時間
・皮膚に対する影響
・テーピングをはがす際
上記の点は注意する必要があることを念頭に入れましょう。
巻き方解説
それでは実際にテーピングの巻き方を解説していきます。
その前にテーピングは巻くよりも切ることの方が難しいので切る練習をしてください。
足関節のテーピングはアンダーラップを巻いた後に5種類のテーピングの巻き方を活用しますので、難しい用語を使用しますが、なんとなく覚えてもらえると巻き忘れを防ぎ固定力として完成することができます。
テーピングは以下の3つのことを繰り返すわけです
1.テープを引き出す
2.テープを巻く
3.テープを切る
テーピングはこの3つを繰り返すだけです。
もちろん走行や角度、圧の力加減がありますが、難しく考えないで巻いて慣れることです。
0.テーピングの切り方

テーピングを親指と人差し指で摘みます。逆の手の親指と人差し指で指がぶつかるくらいギリギリをつまんで斜めに瞬間的に手首をスナップして切るようにすると、テーピングは切りやすいです。
テーピングを切るコツやテーピングのメーカーや種類によってもテーピング厚さや強さが異なるので切りやすいテープもあれば切りにくいテープもあります。
切る技術や切り方の種類というものもあるので、切る練習もすると上達していきます。
1.アンダーラップ
アンダーラップは最初に巻くテーピングですが最も難しいテーピングでもあるので最初は上手く巻けなくて当たり前です。
アンダーラップを解説するとかなりの記事の量となってしまいますので、別記事で記載しているのでそちらを参考にしてください。
私のもう一つのブログ『ジャンクトレーナーのケアルーム』に投稿している記事を参考にしてください。
アンダーラップは簡単な巻き方を参考に↓↓↓
>>【テーピング】アンダーラップを足関節にキレイに巻く方法
参考動画
動画でも確認できるように2種類の巻き方を紹介しています。
・簡単な巻き方
・水野(私)の巻き方
2.アンカー

テーピングの始めと終わりのベースとなるテープとなります。
その次に貼るテープはアンカーからテープを巻き始め、アンカーが終点となります。
アンカーの貼る位置でテーピングの全体の長さが決まるので、アンカーを貼る際はテーピングの巻き終わった状態をイメージできていると綺麗に巻くことができ、最後に始めと同じ位置にアンカーを巻いて完成となるテープのことをアンカーと言います。
3.スターアップ

足関節を縦に巻く巻き方のことをスターアップと言います。
足関節の捻挫をした時に横への動きを制限するテーピングとなります。
通常はスターアップを3本少しづつズラしながら貼ることで制限をかけたい幅を出していきます。
内側に捻挫した場合(内反捻挫)は、内側から外側に巻いていきます。
巻き方にも種類があります
・幅広く3本貼っていく(画像)
・平行に3本貼っていく(動画)
この辺りは選手ニーズに対応したり症状によって使い分けたりしていきます。
4.ホースシュー

足関節のテープで使用する巻き方です。
スターアップ(縦に貼るテープ)を巻いた後にホースシュー(横に貼るテープ)を巻きます。
ホースシューは途中からサーキュラーという名前に変わります。
前面部でテーピングが重なり合う部分からサーキュラーとなります。
ホースシューはスターアップの固定力を安定させ長持ちさせる働きがあります。
踝(くるぶし)の下にテープが掛かるあたりの外側からテープを貼りアキレス腱側のかかと(踵)を通って内側の踝の下を通ってアンカーまで貼ります
半分くらい重ねて同様に3~4本貼っていく。(足のサイズによってテーピングの本数は変わってきます)
ホースシューは、アキレス腱側を通るテープなので、靴づれが起こりやすくマメができやすい部分のテーピングとなります。
そのためテープの圧が均一にならないとトラブルになりやすいです。
またテーピングを巻く際の足の角度もテープの圧が部分的にかかりやすいので、テープを巻く際は足関節を反らせた状態で固定して速やかに巻けるように練習しましょう。
5.ヒールロック

踝(くるぶし)と踵(かかと)の間を通るテープで両方巻くことで踵が内側や外側へねじれることを制限できます。
(内反と外反)また足首を上に反らせる動きも制限できます。
足首の前から斜めにテープを貼っていき、アキレス腱を通って、踝の下を通り、足の裏をいきます。そして足の甲で終了します。
テープの貼り始めの位置と角度によってその後のテープの走行が決まってくるので、巻き始めの位置がポイントになります。
ヒールロックを巻くときは足のかかと(踵)とアキレス腱を通るので力加減をコントロールするように注意が必要となります。
アキレス腱部でテープをしめすぎてしまうと痛みやマメができたりとトラブルの原因になりやすい部分です。
6.フィギュアエイト

関節に対してテーピングで8の字を書くように貼っていく巻き方をフィギュアエイトと言います。
実際の現場ではエイトと略していう事が多いです。
関節の安定性を増す目的で足首の場合だと足を下に制限する(底屈制限)目的となります。
内側に捻った場合(内反捻挫)は外くるぶしの上から斜めにテープを貼り足の裏を通って、足首の前でテープが交差します。
そしてそのまま足首を一周させて終わります。(サーキュラーの上を巻くように貼るイメージです。)
フィギュアエイトも貼り始めの角度がポイントとなり、貼る位置によってテープの走行が変化します。
イメージとしては足の裏とテープが直角になるようにテープを貼るとテーピングで足の裏が痛くなることは防ぐ事ができるかと思います。
7.アンカー

最初にはったアンカーテープと同じで良いのでテープを足首の方に2本貼ると仕上がりとしてテーピングが剥がれにくくなり、安定します。
参考動画
プロからのアドバイス
今回紹介した足関節捻挫ホワイトテープは昔大変よく活用されている巻き方となり、実際に最も多く足関節のテーピングで使用されています。
プロ選手でも実際に活用していますので参考になるかと思います。
非伸縮テープを使うので固定をして安定感を出して、痛みを軽減させる目的で再発予防に活用するケースも多いです。
一番難しいのはアンダーラップを上手に巻くことです。ですが、アンダーラップの端が丸まってしまっても対処方法もあるので、初めは気にせずとにかく巻いて慣れていくと上手になっていきます。
自分自身に巻くのか、人の足に巻くのかでも異なってきますのでまずは自分自身で巻けるようになるとイメージしやすいかと思います。
テーピングのポイントとして
・1本1本役割があるので理解するとベスト
・テーピングは貼るよりも切る方が難しい
・強く締めすぎないよう圧のコントロール
・テーピングのシワが出ないように貼る角度を意識する
・巻いたら動いて何か問題があるかフィードバックして次回に活かす
・プロが巻いている動画を何度も見て完コピしてみてください。
上記を意識すると上手に巻ける近道となります。
オリジナルな巻き方でなく、完全に真似すること、巻き方はもちろん手の使い方も見て真似ると上達していきます。
まとめ
今回は足関節捻挫に対するホワイトテープを使った最も活用されているテーピングの巻き方を紹介しました。
【まとめ】
・テーピングは怪我が治るわけではない
・テーピングを装着することで負担を軽減できプレイ可能となることもある
・テーピングをしていれば良いわけでなくリハビリの継続強化を実行していく
・ホワイトテープは最もメジャーでコスパも良い固定できるテーピング
テーピングを巻くことで本来ならできないレベルでもプレイ可能となるケースもあります。
ただし、リハビリと筋力強化をしっかりと継続して良い状態にすることを忘れずに対応してください。
今回の記事が参考になれば幸いです。